美容対談シリーズ
対談医師
山本崇弘(やまもとたかひろ)
通称・骨切り山ちゃん。現在は東京美容外科(東京先進医療クリニック)赤坂院、山本皮フ科 形成外科美容外科(愛知・豊橋)、帝京大学形成外科非常勤形成外科で勤務。専門医 JSAPS正会員。骨切りを軸にパーツ、皮膚まで顔をトータルに操る形成外科医。
この記事の概要
愛沢えみりさん × ドクター対談シリーズ、第2回のゲストは「骨切り山ちゃん」こと東京美容外科の山本崇弘先生です。ご自身のYouTubeでもおなじみの明るい山ちゃん先生に、専門領域である骨切り手術に関してはもちろん、大好きだというハイフなどについてもお伺いしました!
愛沢えみり
(以下、
えみり)
今日はよろしくお願いします♪ さっそくですが、いま勤務されているクリニックを改めて教えてください!
骨を主にやっているのが東京美容外科。名前が変わって東京先進医療クリニックに変わりましたが。あと、もともと父親が美容皮膚科や目とか鼻の美容外科の病院をやっていて。山本皮フ科というところなんですけど、そこでも細々とやっています。
山本崇弘
(以下、
山本)
えみり
もうお肌がめっちゃ綺麗すぎて!
実はこの収録のために2日前にピーリングをやりました(笑)。
山本
えみり
先生のYouTubeとか見させていただいてましたけど、生で会うと赤ちゃん肌ですね(笑)。綺麗だしふわふわしてる!
お肌はけっこう頑張ってるので、柔らかいですよ(笑)。
山本
えみり
先生の美容外科医としてのこだわりやモットーをおしえてください。
モットーはたくさんあるんですけど…患者さんの立場になって考えることはすごく大事にしています。美容外科って保険の診療と違ってどうしても時間の制約があったりするんですけど、手術のときに例えば骨の位置が悪かったりしてちょっと微妙だなってときはやり直します。形に納得できるまであきらめずにやりますよ。骨の手術って人生が変わってしまうほどの手術だから、やっぱり最終的に幸せになるために受けてほしいんです。なので手術する価値があるかどうかは患者さんともよく相談して決めていただいています。目や鼻だって意を決して受けられると思いますけど骨切りまでする人って闇が深い人が多くて。命をかけてやるので覚悟が決まった人が多いんです。悩みが深くてヘビーな手術になるので、お坊さんみたいな気持ちになってきますよね。
山本
えみり
カウンセリングで「やめたほうがいいよ」って言うこともあるんですか?
全然あります。僕なんかハッキリ言うほうなので、キツいと思われる患者さんもいると思います。皆さんやる気で来られるので「やらないほうがいい」と言うと食い下がるんですよね。
山本
えみり
その患者さん側の気持ちわかります…! でもやらないでいいことをきちんと説明してくれる先生は素敵だと思ってて。私もいつも勝手に完成までのシミュレーションをしてからカウンセリングに行くので、そこで「やらないほうがいい」って言われるとその瞬間は「えっ!」ってなります。でも結果的にはやらなくていい場所を指摘してもらえてよかった~と思うので。
やらないで幸せならそれに越したことはないですからね。
山本
えみり
どういう場合にやらないほうがいいと判断されるんですか?
大きくは2つあって、1つは「そもそも適応じゃない」。その手術をしてもそこまで良くならないと判断したとき。骨切りはリスクがあるので、得られる利益と被るリスクを比べたうえでリスクの許容度があるかですね。2つ目は「患者さんの精神状態」。骨切りはダウンタイム期間に病む場合が多くて、気持ちがふさぎ込みやすい人はリスクが上がるんです。
山本
えみり
リスクって気持ちの面でも変わるんですか!
前向きで明るい人、ホワンとした感じの人って術後の経過もいいんですよ。逆にずっと鏡を見て「こことここが…」って気になってしまう人は自己肯定感が低い方が多いので、そういう方は術後も満足度が下がってしまう傾向にあるんです。
山本
えみり
これはすごいお話ですね…!
骨切りは手術によっては鼻に少し影響してしまうこともあって、それに対して落ち込む可能性の高い人は積極的に引き受けない傾向にあります。
山本
えみり
そういう、性格とかはカウンセリングで話しててわかるんですか?
ある程度はわかるようになってきました。とは言っても本当に正しいかどうかはわからないですけど、それで手術をしてもお互いハッピーじゃないので。手術するときはよくお話をしたうえで臨んでもらいます。逆にホワンとした方はあまり質問もされないし「もう先生に任せます!」って感じでやりやすいですし、だいたい結果も良いです。
山本
えみり
私そういうタイプだなあ(笑)。
えみり
美容外科の良いところ、美容外科医として誇りに思う点はなんですか?
骨の手術ってやっぱりすごく変わるので、明らかに綺麗になられたことで自信がついて他人への振る舞いが変わったりSNSの投稿が楽しそうだったりとかを見て、お手伝いができたんだなと思うときが一番嬉しいですね。あと単純に造形的な美しさにアートを見ているような、「僕の作品やあ!」みたいな気持ちになったりします(笑)。
山本
えみり
素敵です(笑)。
自分ならではと誇りに思うことは、僕は骨だけじゃなくて皮膚もそうだし実はいろいろやっていて。骨をやり始めたのも顔の全部を診られるようになりたかったからなんですよ。骨格の手術は土台を変えるワケなので、どうしても中のパーツも変えなきゃいけなくなっちゃう。必然的に全部できなきゃいけない領域で、それが僕は好きなんですよ。
山本
えみり
なかなかお顔全体ができる先生っていないと思うので、貴重ですよね。では次は、みんな気になる輪郭でいま人気の手術ベスト3をおしえてください!
ベスト3難しいんですけど、3位は「鼻中隔延長(鼻先を下げる手術)」と顎先を出す「オトガイ形成」ですね。横顔のEラインを整えたりするものが人気です。2位は「輪郭3点」。頬骨、エラ、顎先の3つを切ることで顔を丸くしたり小さく見せるもの。で、1位は両顎手術と言われる「ルフォーI型骨切り術」。主に横顔や顔の大きさを変える手術ですね。
山本
えみり
やっぱり先生のクリニックは例えば目の二重とかより特殊で技術が必要な手術が多いですね。
技術というか、いまは僕のインスタとかYouTubeを観て来てくださる方も多いのでどうしてもそうなっちゃいます。
山本
えみり
「輪郭3点」はSNSでも最近よく見かける手術ですよね。
手術として若干ハードルが低いのとできる先生が多いので露出が多いんだと思いますね。
山本
えみり
これは噛み合わせには影響ないんですか? 噛み合わせが変わって笑顔とか表情に影響が出ちゃうのが心配な人も多いと思うんですけど、輪郭3点は比較的気軽にできるイメージですかね。
そこまで変わらないですけど、確かに両顎手術だと入院が必要になったり歯科矯正も必要になったりするのでハードルが高くはありますよね。
山本
えみり
骨切りのリスクと、失敗から少しでも遠ざけるポイントが知りたいです。
骨切りのどの手術かでもリスクは変わってきますけど、輪郭三点と両顎で共通するのが「神経のしびれ」。あと皆さんご存じだと思うんですけど骨が小さくなることで起きる「たるみ」。両顎手術だと鼻の変形とか歯が人によっては見えにくくなったりも。それから骨を切って動かした後に骨と骨を繋ぐものが必要になりますよね。通常はチタン製のプレートを用いるんですけど、人工物なのでばい菌がつくと腫れ、痛み、膿が出ます。ただ、ほとんどのリスクがなんとかなるし、一生残るような後遺症はそこまで多くはないので、適応があれば過度に恐れる必要はないのかなと思いますけどね。失敗から少しでも遠ざけるポイント。これは患者さん側ができることで一番大事なのは、さっきもお話したようにダウンタイム中に鏡を見すぎず元気に明るく生きること。これは経験上ホントにそうで、骨の手術をやってる先生なら満場一致することなんです!
山本
えみり
そうなるとダウンタイムに誰といるかも大事そうですね。引きこもるのが良いともされますけど…。
「風船みたいに腫れてるやん!」くらい明るく言ってくれる人といたほうがいいかもしれないです(笑)。あとは口の中からアプローチする手術なので、口内を綺麗な状態に保っておくことは大事。虫歯や歯周病がある方は治療しておくといいです。たばこはばい菌感染を起こしたり傷が開きやすくなったりするのでそこもできれば気を付けていただく。
山本
えみり
メンタル面がけっこう大事なのはびっくりでした。
僕らがベストを尽くすのは当たり前なので、患者さんは元気に明るくいてねって(笑)。
山本
えみり
輪郭手術は若いうちに受けても良いものなんですか?
大丈夫です。顔の骨の成長が終わるのって大体16~18歳なんですけど、それ以降であれば。なので20歳より前でも手術を受けることができます。若いうちとある程度年を取ってからとどちらがいいかというと、正直、若い人がやるほうがリスクが低いです。逆に何歳まで?というと、これは患者さんの心身のコンディションによるので応相談です。今のところ自分は両顎の手術では50歳くらいまでの方を執刀していますね。
山本
えみり
10代からできるんですね。
15歳の方を手術したこともあります。いまYouTubeをやってるので、それを見て若い方が来られることもあるんですよ。ご両親と一緒に来られて「(整形は)反対ですけどこの子の人生がよくなるんだったら」っておっしゃることもあります。
山本
えみり
若いと金銭面の問題もあるし、理解してくれる家族がいることは素敵ですね。
よく話すのが、例えば3年後じゃなくいまやったほうがいいのかということ。その3年間をコンプレックスを抱えて生きるか、もちろんその方によりますけど楽しく過ごすか。僕は人生で楽しい期間を長く過ごせたほうがいいんじゃないかなって。ましてや若いころの一年って大きいじゃないですか。これまでたくさんの方の手術をしてきましたけど、人生が変わった方ってけっこういらっしゃるので。もちろん適応がある方にですけど、そういうお話はさせていただきますね。
山本
えみり
そうですね。これは今後、世間の理解も進めばいいですよね。
えみり
お顔で手術する順番って大事ですよね?
みんなが思っているほど大事じゃないです。まあ理想としては大事っちゃ大事ですが。同じように手術すれば順番が違っても同じようには仕上がるので、コンプレックスあるいはやったときに満足度が高い手術から順番にやったらいいです。必ずしも骨からという必要もないと思いますよ。
山本
えみり
そうなんですね!なんか安心しました(笑)。ネットとか見ていて「間違っちゃったかな」と思うことがあるので。
でも正直僕らもわからないんですよ。同じ患者さんを同じ条件で別パターンで手術することはできないので。リスクはしっかりお伝えするので、あとは希望の順番でいいと思います。でもそのリスクも必ずしも起こるとも限らないんですが。
山本
えみり
良いクリニックやドクターの見つけ方ってありますか?
これは難しいです。手術が上手いのは当然じゃないですか。で、それっていろんなパーツに分解されると思うんです。1つは「知識」。解剖学的な知識とかリスクとか、これは絶対必要じゃないですか。もう1つは「慣れ」。どれだけその手術に慣れていて手際よくできるか。最後はアートな部分というか「感性」ですかね。
山本
えみり
わかりやすい!
「知識」は例えば学会で発表してるとか形成外科の認定医だとか、SNSの投稿でも他の先生よりひとつ深みがあるなとか。「慣れ」は単純に月にどれくらい手術をしているか、症例がどれくらいあるかで判断してもらえたら。「感性」はなかなか患者さんが判断するのは難しいですけど…例えば僕はその先生の写真の撮り方とか見てますね。どうやって綺麗に撮ってるかとか写真の並べ方とか。几帳面そうな先生のほうが優れているような気がします。でもそこは人それぞれの好みやテイストがあるので、自分と感性の合う人にするのが概ね合っていると思いますよ。
山本
えみり
ネットやSNSでチェックして合いそうだなと思ったら実際にカウンセリングに行って?
はい。あと、性格が合うかも大事ですね。
山本
えみり
知識、慣れ、感性、その一つだけ特化してても、ですよね。
はい。数は多くこなしているけど深みはない場合、知識はあるけど経験がない場合とかもありますしね。
山本
対談パートナー
愛沢えみり
BETICA 運営代表
株式会社voyage代表
アパレルブランドEmiriaWizの運営のほか、美容や飲食業のプロデュース、メディア運営等を行っている元歌舞伎町No1キャバ嬢。