美容医療コラム
「エイジングケアって何歳からはじめたらいいの?」と、悩んでいませんか?中には、20代のうちからエイジングケアを意識しはじめる方もいるでしょう。
ここでは、エイジングケアをはじめるタイミングについて解説します。あわせて、エイジングケアの方法もご紹介しますので、関心がある方はぜひ参考にしてください。
「エイジングケア」とは、加齢とともに変化する肌質にあわせたケアをいいます。エイジングケアの基本は保湿で、乾燥や紫外線といった刺激から肌を守り、肌のバリア機能を高める働きがあります。
よく似た言葉として「アンチエイジング」がありますが、アンチエイジングとエイジングケアでは目的が異なります。アンチエイジングは肌の老化防止が目的であるのに対し、エイジングケアは年齢に応じたケアにより、美しさを保ち続けることを目的としています。
年齢を重ねても美しい肌を保ち続けるには、エイジングケアを何歳からはじめるべきなのでしょうか?
エイジングケアをはじめるタイミングは、肌の変化を感じたときがベストとされています。次のような変化が見受けられる場合は、エイジングケアをはじめましょう。
これらの変化は肌のバリア機能が低下し、ターンオーバー(肌の新陳代謝)の乱れが影響しています。
「20代でエイジングケアは早すぎる」と思われるかもしれませんが、「ほうれい線」や「小ジワ」といった肌の衰えのサインは、20代半ばから現れはじめます。早めに肌の変化に対応したい方は、20代後半からエイジングケアを開始しましょう。
肌質や生活習慣によっても異なりますが、一般的に20代後半から肌の水分量や皮脂量は変化し、肌のハリ・ツヤに必要な皮脂は30代をピークに減少するとされています。
特に、10代からメイクをしている方は、化粧品やクレンジング剤の使用により肌に負担をかけている恐れがあるので、「以前より肌がくすんできた」「小ジワが目立ってきた」などの変化が見られる場合は、20代からでもエイジングケアを行いましょう。
誤った方法でエイジングケアを行うと、かえって肌の老化を加速させます。そのため、肌の悩みに応じたケアが大切です。正しくケアするための方法を見ていきましょう。
肌の弾力を保つコラーゲンやエラスチンは、紫外線や乾燥により、減少もしくは変形するとされています。また、加齢によって線維芽細胞(せんいがさいぼう:美容成分を作り出す細胞)の働きが弱まると、コラーゲンやエラスチンの生成量が減少し、肌のたるみやシワを引き起こします。
「ハリ・ツヤがなくなってきた」と悩んでいる方は、ビタミンAが配合された化粧水でケアしましょう。ビタミンAには肌のターンオーバーを促進する作用や、コラーゲンを助ける働きがあります。
紫外線・乾燥・加齢により、コラーゲンとエラスチンが減少もしくは変形すると、肌のターンオーバーが乱れ、さらに乾燥が進みます。すると古い角質が残り硬くてハリのない肌へと変化し、肌が元の状態に戻りにくく、表情の癖でシワが形成されやすくなります。
シワ対策には原則、「抗シワ評価試験済み」の化粧品がおすすめです。抗シワ評価試験済みとは「化粧品機能評価法ガイドライン」に基づいて、乾燥による小ジワを目立たなくする作用が認められた製品を指します。
その他、肌に弾力を与えるヒアルロン酸と、皮膚の健康を維持する作用があるビタミンB3が配合されている基礎化粧品もおすすめです。
なお、保湿ケアに加えて紫外線ケアを行うと、コラーゲンとエラスチンの減少や変形を防げます。季節に関係なく、日焼け止めクリームの塗布や帽子の着用など、紫外線ケアを徹底しましょう。
シミ・くすみは、紫外線によるメラニンの過剰生成が原因です。日焼け止めクリームなどで、紫外線予防を行いましょう。
また、次のような習慣もシミやくすみの原因なので、心当たりがある方は改めましょう。
なお、シミやくすみができにくい状態を目指すには、メラニンの生成を抑制する作用がある、トラネキサム酸・アルブチン・4MSKなどを配合した薬用化粧品の使用がおすすめです。医薬部外品に該当する薬用化粧品には、厚生労働省が許可した有効成分が配合されています。
ちなみに、美容皮膚科で処方されるハイドロキノンには、形成されたシミを薄くする作用が期待できる反面、肌への刺激が強い特徴があります。肌に負担をかけないためにも、必ず使用方法を守りましょう。
エイジングケアを行う際には、次のことを意識しましょう。
ターンオーバーが乱れると、肌のコンディションが悪化します。紫外線は肌のターンオーバーが乱れる原因なので、紫外線ケアを徹底しましょう。
紫外線にはA波とB波があります。紫外線A波は、コラーゲンを破壊してシワを形成し、紫外線B波は、メラニンを増加させシミ・そばかすの原因となります。いずれにしても肌へ悪影響を及ぼすので、日焼け止めクリームの塗布、帽子の着用、日傘の使用といった紫外線ケアを徹底しましょう。
また、乾燥は肌のバリア機能を低下させます。小ジワも目立つようになるため、日頃から保湿ケアの徹底が大切です。肌を整えるペプチドや、コラーゲンをサポートするナイアシンアミドを含んだ保湿剤であれば、高い保湿作用が期待できます。
なお、エアコンの風や紫外線などの外的要因により、夕方には肌が乾燥しはじめるので、夜だけではなく朝もしっかり保湿してください。
エイジングケアの作用を実感するためにも、エイジングケア用の基礎化粧品でお手入れしましょう。
エイジングケア用の基礎化粧品は、「シワ対策」「シミ対策」のように目的に応じて作られているので、自分の肌悩みに合ったアイテムを選んでください。
化粧品を選ぶ際は、テクスチャーにも注目しましょう。脂性肌の方がしっとりタイプの基礎化粧品を使用すると、ニキビや肌荒れを招く恐れがあります。脂性肌の方は、さっぱりタイプの基礎化粧品を使用しましょう。また、乾燥肌の方はさっぱりタイプの基礎化粧品よりも、油分を多く含んだしっとりタイプの基礎化粧品が適しています。
肌がターンオーバーにより新しい皮膚に生まれ変わるには、最低でも3カ月を要します。すぐに思ったような作用が現れなかったとしても、3カ月は継続して様子をみましょう。
ただし、基礎化粧品を使用したときに、肌がピリピリしたり乾燥が加速していると感じたりした場合は、使用を中止してください。
肌質に大きく影響する皮膚組織は、ケラチン・コラーゲン・エラスチンといったタンパク質が主成分となって形成されます。タンパク質が不足すると、シワやハリ不足の原因となるので、食生活も見直しましょう。
タンパク質は1日50gを目途に摂取するといいとされており、次の食品に多く含まれています。
いずれの食品も主菜に活用できるので、1日の献立に取り入れてみましょう。また、ビタミンCには抗酸化作用があり、シミができるのを防ぐ働きがあります。ビタミンCは、レモンやキウイフルーツなどのフルーツ以外にもパプリカ、ブロッコリーといった野菜にも含まれています。ただし、熱に弱い特性があるので、サラダで食べるといいでしょう。
肌の変化を感じたら、エイジングケアをはじめるサインです。肌は20代後半から変化しはじめ、肌のハリ・ツヤを保つ作用がある皮脂は、30代半ばをピークに減少します。年齢サインを緩やかにするためには、早めのケアが大切です。
エイジングケアの際には、紫外線と保湿ケアを徹底し、エイジングケア用の基礎化粧品を使用しましょう。ただし、使用目的だけではなく、成分やテクスチャーにもこだわることが大切です。肌質に合っていない基礎化粧品を使用すると、かえって肌に負担をかける恐れがあります。
また、食事も見直し、コラーゲンを生成するタンパク質や、抗酸化作用があるビタミンCを多く含む食材を積極的にとりましょう。
監修者
加齢による肌の変化に応じたケアを「エイジングケア」といいますが、何歳からはじめたらいいのか悩む方もいるでしょう。ここでは、エイジングケアをはじめるタイミングと、ケアの方法をご紹介します。