美容医療コラム
この記事の概要
毛穴の黒ずみや開き、たるみなど気になる毛穴トラブル。毛穴トラブルの原因と美容皮膚科でできる毛穴治療について解説します。
「毛穴の開きが気になる」「いちご鼻を何とかしたい」このような毛穴のトラブルに悩んでいる方はいませんか?毛穴自体はとても小さいのに、黒ずみや詰まり・たるみなどが生じると想像以上に目立ってしまい、顔の印象に大きな影響を与えてしまいます。
毛穴の悩みは自分でケアしても改善するのがむずかしく、間違ったケアを行うとより毛穴が目立ってしまうことも少なくありません。そんな気になる毛穴トラブルは、美容皮膚科で改善が目指せます。今回は毛穴トラブルの種類と美容皮膚科でできる毛穴治療についてご紹介します。
そもそも毛穴なんてなければいいのにと思ってしまいがちですが、毛穴には大切な3つの役割があります。
毛穴には皮脂膜を作り、肌を守るバリア機能があります。毛穴から皮脂や汗・老廃物が排出され、その皮脂と汗が混じり合うことで皮脂膜が形成されます。皮脂膜には肌内部の水分の蒸発を防いだり、外部刺激から肌を保護したりする大切な働きがあるのです。また肌を弱酸性に保ち、雑菌の繁殖を防ぐ役割もあります。
毛穴には寒暖差に対応する体温調節機能があります。毛穴にある立毛筋(りつもうきん)は、寒さを感じたときや交感神経が優位になったときに収縮します。立毛筋が収縮すると体毛が立ち毛穴を閉じることで体内の熱を閉じ込め、体温が下がるのを防いでくれます。
毛穴にはアポクリン汗腺と呼ばれる、老廃物を含んだ水分を排出する汗腺があります。アポクリン汗腺は脇の下に多くあり、脂肪酸を含んだ汗が分泌されます。もともと汗は無臭ですが、アポクリン汗腺に含まれる脂肪酸が空気に触れて酸化し、表皮の常在菌によって分解されると、においの元となる物質に変化します。適度なにおいはフェロモン作用があるといわれています。
毛穴トラブルにはいくつか症状があり、それぞれ原因は異なります。ここでは毛穴トラブルでよく見られる4つの症状とその原因をご紹介します。
毛穴の開きは皮脂が過剰に分泌され、毛穴の出口が押し広げられることが原因で発生します。また古い角質と過剰に分泌された皮脂が混ざり合い毛穴に詰まり、毛穴が開いてしまうこともあります。皮脂の過剰分泌が原因で起こる毛穴の開きは、開き具合が均一です。毛穴を開いたままにしておくと、開いた毛穴に細菌が入り込みニキビなどの肌トラブルを引き起こす恐れがあります。
一方、毛穴の開きが不均一な場合は、ニキビ痕が原因と考えられます。ニキビの強い炎症が長期間続き肌の真皮層まで達すると、肌が陥没しクレーターのような痕が残り凸凹とした肌となります。
毛穴から出る皮脂と、角質が混ざり合ってできる角栓によって毛穴の詰まりが起こります。
また年齢を重ねると肌のターンオーバーが乱れ、古い角質が剥がれず残ってしまうと、肌が硬くなり毛穴が塞がってしまうこともあります。とくに毛穴が詰まりやすい部位は皮脂腺が多い鼻や眉間周辺です。
毛穴の黒ずみとは、毛穴自体はそれほど開いていませんが、毛穴が黒い点のように見える状態をいいます。黒ずみの原因は大きく2つにわけることができ、1つ目は毛穴に映える短くて黒い毛です。2つ目は酸化し黒くなった角栓によるものです。角質や毛穴に詰まった皮脂や汚れ、過剰な皮脂分泌に対して十分なケアができていないことが原因で発生します。毛穴に長期間詰まったままの角栓は、空気に触れると酸化し黒く見えることがあります。無理に引き抜くようなケアを続けると、毛穴の入り口が広がり、角栓の肥大化や毛穴が開いたままの状態になる恐れがあります。
毛穴のたるみは、加齢によって真皮のコラーゲンが減少し、肌のハリや弾力が低下し肌がたるむことで起こります。毛穴のたるみは縦型に毛穴が広がるのが特徴で、頬やほうれい腺周辺によく見られます。
美容皮膚科では、さまざまな毛穴トラブルの治療を行っています。前章で毛穴トラブルの種類と原因についてご紹介しましたが、毛穴トラブルは症状によって適した治療法が異なります。ここでは美容皮膚科が取り入れている、代表的な毛穴治療についてご紹介します。
美容皮膚科で行われる毛穴治療にレ―ザー治療があります。美容皮膚科では医療用のレーザー機器を使用し、毛穴の開きや黒ずみの改善に期待できます。レーザー機器にはさまざまな種類があり、機器によっては毛穴治療だけではなく肌の全体的なくすみやシワ、皮膚細胞の再生力が活性化などを目的としています。
レーザー治療に使用される機器はクリニックによって異なるため、使用している機器を事前に知りたい方はクリニックのホームページやカウンセリングの際に確認しましょう。
ピーリングとは、肌に直接薬剤を塗布して古い角質を取り除き、肌のターンオーバーの活性化を図る治療法です。クリニックによって使用する薬剤は異なりますが、主にグリコール酸やサリチル酸、乳酸などが使用されます。
毛穴に詰まった古い角質や皮脂を取り除くことで、毛穴が目立ちにくくなります。
光治療とは、フォトフェイシャルなど光を使った機器を用いて行う治療法です。フォトフェイシャルはシミや赤ら顔などの治療によく使用されていますが、それ以外にも皮膚を活性化し肌のハリに大切なコラーゲンを増やす役割があるため、加齢による毛穴の開きの治療にも用いられます。
フォトフェイシャル以外にも、赤外線の一種である「近赤外光(きんせきがいこう)」の作用で真皮に熱の刺激を与え、たるんだ肌を深部から強力に引き締める治療法もあります。光治療は細かいシワといった、肌質の改善にも期待が持てます。
導入治療の代表的なものにイオン導入があります。イオン導入機から送られる電気のプラスとマイナスを利用して、ビタミンCやトラネキサム酸などの美容成分を効率的に肌の奥まで浸透させる治療法です。
肌の回復力を高めるとして、いま注目を集めている「ダーマペン」もこの治療法の1つで、ダーマペンは毛穴の開きだけではなくニキビ跡や小ジワなどの治療にも用いられます。
また、注射や点滴を用いて高濃度ビタミンCなど、有用成分を体内へ直接働きかける治療法もあります。高濃度ビタミンCは毛穴トラブルだけではなく、ニキビの改善や疲労回復も期待できるといわれています。ヒアルロン酸は肌にハリと潤いを与え、毛穴のたるみや開きを目立ちにくくします。
年齢を問わず多くの人が悩んでいる毛穴トラブルですが、その症状によって原因は異なります。間違った毛穴ケアは、さらに症状を悪化させてしまう恐れがあるため、毛穴ケアを行うには原因を知ることが大切です。
加齢や皮脂の過剰分泌など原因はさまざまですが、毛穴のトラブルに悩まれている方は美容皮膚科で毛穴治療を行うことも選択肢の一つになるのではないでしょうか。美容皮膚科で治療を行う際は、信頼のおけるクリニックで行うことが大切です。正しいスキンケアと肌によい習慣を取り入れながら、毛穴レスな肌を目指しましょう。