美容医療コラム
この記事の概要
加齢による肌のハリや弾力不足で起こるシワが気になる方に向けて、薬用リンクルケアクリームやマスクの有用成分や作用、セルフケアのポイントを解説します。
「最近シワが気になる」「リンクルケアは聞いたことがあるけれど何かわからない」という方、正しいエイジングケアはできていますか?
年齢を重ねるごとに肌のハリや弾力が衰え、シワが気になる人は多いです。毎日スキンケアをしても、使っている化粧品が合わなければ悩みは解決しません。
シワに作用するエイジングケアには、薬用リンクルケアクリームやマスクなどがあります。ここでは、シワに働きかけるエイジングケアや、薬用リンクルクリームやマスクの有効成分と作用について解説します。
エイジングケアとは、「エイジング=加齢」「ケア=お手入れ」で、年齢に応じたお手入れを指します。似た言葉に「アンチエイジング」もありますが、アンチエイジングは抗老化を表すのに対して、この記事では年齢肌に合わせたケアをエイジングケアとしています。
例えば紫外線や血行不良、加齢などによってできたシミやたるみを、化粧品でケアをして本来の肌のハリやツヤを取り戻すことも、エイジングケアのひとつです。
肌は加齢によって衰え、30代〜40代ではシミやたるみに悩まされたり、女性ホルモンが減少する更年期では、肝斑やシワに悩まされたりします。エイジングケアは、このような年齢肌に合わせたケアを行います。
リンクルケアは、シワに結びつくと考えられている要因を極力排除して、シワの形成を予防するスキンケアです。
薬用リンクルケアクリームやマスクなどのセルフケアから、フェイスリフトのようなクリニックで行う施術まで、さまざまなケアがあります。
セルフケアで使う薬用リンクルケアクリームやマスクは、「医薬部外品」に位置づけられ、厚生労働省が許可している成分が一定濃度で配合されています。
シワのエイジングケアとして使われる、薬用リンクルケアクリームやマスクにはどのような有用成分が含まれているのでしょうか?代表的な6つの成分を解説しますので、化粧品を購入する際の参考にしてください。
レチノールはビタミンAの一種で、ターンオーバー(肌の新陳代謝)を促して健康的な肌環境へと導きます。
しかし、レチノールは赤み、皮むけ、乾燥、つっぱり感が出やすい特性があり、乾燥肌や敏感肌の方には向いていません。乾燥肌や敏感肌の方は、配合濃度が低いものから試してみましょう。
ナイアシンアミドは別名「ニコチン酸アミド」とも呼ばれており、水溶性のビタミンB3の一種です。「ニコチン酸アミド」「ニコチン酸」の総称として、「ナイアシン」と記載されているケースもあります。
皮膚や粘膜を整える作用があり、化粧品だけではなくドリンクやサプリメントでも見かける成分です。
スキンケアでは、シワの改善や紫外線ダメージからの回復、メラニン抑制によるシミ予防などの作用が期待できます。ナイアシンアミドは、敏感肌の方も使えます。
ニールワンは、アミノ酸誘導体です。
肌は紫外線などからダメージを受けると、「好中球エラスターゼ」と呼ばれる酵素を過剰に分泌します。この酵素がコラーゲンといった真皮を分解してしまい、シワの発生につながるといわれています。ニールワンは、好中球エラスターゼの動きを抑制する作用があり、シワ予防に期待が持てます。
ヒアルロン酸は肌をみずみずしく保つのに大切なもので、化粧品でもよく見かける成分です。肉眼では見えませんがゼリー状の物質で、ヒアルロン酸1gで2L〜6Lの水分を蓄えられるといわれています。
コラーゲンやエラスチンの網目を埋めるように存在し、クッションのような働きで水分を保持しています。
化粧水や美容液などさまざまな化粧品に使われており、肌を乾燥から守り、ハリや弾力アップが期待できます。
コラーゲンはタンパク質の一種で真皮の約70%を占めており、肌の弾力を保つ働きを持っています。また、肌だけではなく骨や関節でも大切な役割を持ち、人の身体に欠かせない成分のひとつです。
コラーゲンが低下すると、肌のターンオーバーが乱れ、肌のハリや弾力が失われるので、シワやたるみの原因となります。
セラミドはスフィンゴ脂質の一種で、肌内部の水分保持や外部刺激から肌を守るバリア機能の働きをします。
肌表面は角層細胞とその隙間を埋める細胞間脂質で生成されており、セラミドは細胞間脂質の40%〜50%を占めています。
さらにセラミドは、「ヒト型セラミド」「擬似セラミド」「糖セラミド」「セラミド類似成分」に分けられ、そのうち保湿作用に優れているのは、ヒト型セラミドです。ヒト型セラミドは人間の皮膚に近い構造でできているので、角質層まで浸透しやすいのが特徴です。
薬用リンクルケアクリームやマスクで肌をお手入れするときは、以下の点に注意しましょう。
レチノールを含んでいる化粧品は、刺激が強いため塗る回数や分量が多いと、ヒリヒリする場合があります。商品の使用方法や注意事項を確認し、使用回数と使用量を守りましょう。
少ない量でも違和感を覚えるようなら、使用を中止してください。
複数の美容アイテムを併用して化粧品かぶれを起こした場合、どの商品が合わなかったのか判断が難しくなります。
エイジングケアクリームやマスクを使用する際は、1つずつ試すようにしましょう。
エイジングケアに有効な成分の中でもレチノールは、肌が弱い方や化粧品で肌荒れを起こしやすい場合、慎重に試す必要があります。かぶれ・赤み・乾燥感・ニキビ・かゆみなどが出やすいので、濃度を段階的に上げていくことをおすすめします。
顔へ使用する前に、腕の内側の柔らかい部分に少量の化粧品を塗り、異常が出ないかパッチテストを行いましょう。
レチノールは紫外線に弱いので、シミの原因になります。日中に使用する場合は、日焼け止めやUVカット作用のある化粧下地で、日焼け対策をしっかりと行ってください。
また、日焼けが気になる方は、夜のケアのみで使用しましょう。
紫外線を浴びたり乾燥が進んだりすると、肌のターンオーバーが乱れてシミやシワにつながります。
摩擦による乾燥を防ぐには、優しくクレンジングを行い、乳液や美容液でしっかりと保湿を行いましょう。紫外線対策は外出時だけではなく、室内でも日焼け止めを塗るようにしましょう。
シワの改善が認められている化粧品は、医薬部外品に分類される化粧品のみです。そのため毎日のスキンケアには、シワに作用する有効成分を含んでいる、医薬部外品を選びましょう。
また、肌の乾燥が進んで角質が厚くなっているときは、週2回の保湿マスクがおすすめです。
スキンケアだけではなく、バランスの取れた食事や運動など、普段の生活習慣もエイジングケアには大切です。
加齢とともに肌のハリや弾力が衰え、シワが気になる方が増えていきます。シワに作用するエイジングケアには、薬用リンクルケアクリームやマスクなどがありますが、自分で購入する際は6つの成分を、ぜひチェックしてみてください。
また、シワやシミは紫外線や乾燥も原因のひとつです。
普段のスキンケアを見直し、薬用リンクルケアクリームやマスクでセルフケアをしてみてください。