美容医療コラム
毛穴の黒ずみをどうにかしたいと、さまざまな市販アイテムを試していませんか?現在、多くの黒ずみ対策用の市販アイテムが販売されていますが、使い方を間違えるとかえって症状を悪化させます。黒ずみを防ぐためにも、アイテムは肌質に合わせて選ぶことが大切です。
ここでは、毛穴の黒ずみ対策における、市販アイテムの種類と特徴をご紹介します。あわせて、毛穴の黒ずみができる原因や予防方法についても解説しますので、毛穴の黒ずみに悩む方は参考にしてください。
何気なく鏡を見ると気付かないうちに、鼻や頬に黒ずみができていた経験を持つ方もいるでしょう。
では、なぜ毛穴に黒ずみができるのでしょうか?
黒ずみの原因として、角栓の毛穴詰まりとメラニン色素の活性化が挙げられます。肌のターンオーバー(肌の新陳代謝)が正常に機能している場合は、古い角質が自然に剥がれ落ちますが、乱れていると古い角質が肌に残ったままになります。その角質が皮脂と混ざり合い、角栓になるのです。毛穴に詰まった皮脂や角質は酸化して黒くなり、触るとざらつきを感じます。
また、紫外線や洗顔時の摩擦による肌への刺激、ニキビや吹き出物などの肌トラブルが起きると、肌が刺激から身を守ろうとメラニン色素を作り出します。メラニン色素が色素沈着して、黒ずみとなります。
日常のスキンケアにプラスして行える、黒ずみ対策の市販アイテムとその特徴をご紹介します。
黒ずみ対策の市販アイテムのひとつに、毛穴用洗顔料があります。毛穴用洗顔料にもさまざまな種類があるので、肌の状態に応じて選びましょう。
「ビタミンC誘導体」が配合されているものは、皮脂を整える働きがあり、引き締め作用が期待できます。その他にも、保湿成分があるヒアルロン酸やコラーゲン、セラミド、スクワランが配合された毛穴用洗顔料などもおすすめです。これらの成分には次のような作用が期待できます。
毛穴ケアにおすすめの洗顔料には、下記の4つがあります。
肌を傷つけることなく毛穴ケアするためにも、それぞれの作用だけに注目するのではなく、自分の肌質を基準に選びましょう。
なお、酵素洗顔にはタンパク質を分解する作用があるので、肌が乾燥しやすくなる恐れがあります。そのため、週に1回程度の使用がおすすめです。
毛穴パックには、毛穴に入り込んだパックシートがピンセットのように働き、角栓を取り除く作用があります。ざらつき感のある角栓が原因の黒ずみケアに適しており、「1度のケアで広範囲の汚れが取り除ける」「洗顔では落ちない頑固な角栓が取り除ける」といったメリットがあります。
毛穴パックは次の3種類に分類されます。
ただし、毛穴パックは毛穴に入り込んだ角質を吸着する作用があるので、肌への負担が大きくなりがちです。特に毛穴パックの使用後は、肌が乾燥しやすい状態になっているので、忘れずに保湿しましょう。
毛穴の黒ずみケアには、マッサージブラシの使用もおすすめです。ブラシにたっぷり泡を付け、優しくこまめに動かすことで、毛穴に詰まった汚れを取り除きます。それにより、肌に蓄積していた古い角質が除去されるだけではなく、角質層まで保湿剤が浸透しやすくなるメリットがあります。
ただし、毎日マッサージブラシを使用する行為は、肌を傷つけて乾燥や肌荒れを引き起こす原因となります。使用回数は週に1〜2回程度とし、力を入れ過ぎないように注意しましょう。商品の説明書をよく確認して、正しく使用してください。
また、メイクが肌に残った状態での使用は、汚れと洗顔料が混ざり合い、さらに毛穴汚れが悪化する恐れがあります。この状態では、マッサージブラシが持つ本来の機能が発揮できていないので、しっかりメイクを落としてから使用しましょう。
日々の習慣を改めるだけでも、毛穴の黒ずみが悪化するのを防げます。どのようなことを意識したほうがいいのか見ていきましょう。
脂質が高い食事は皮脂を過剰分泌させ、毛穴詰まりの原因となります。毛穴が詰まると黒ずみが生じるので、脂っこいものや脂身の多いお肉中心の食生活を送っている方は、食事バランスを見直してみましょう。
海藻に多く含まれる「ミネラル」や、レバーに多く含まれる「ビタミンB2」、ナッツ類に多く含まれる「ビタミンE」は、肌のターンオーバーをサポートする働きがあります。肌のターンオーバーが整えば、毛穴詰まりを防げるので、日頃からこれらの食材を積極的に摂取することをおすすめします。
また、スナック菓子が好きな方も注意が必要です。スナック菓子には糖質が多く含まれますが、糖質をとりすぎると糖の代謝にビタミンB群が使用されて不足します。体内のビタミンB群が不足すると脂質代謝が低下し、皮脂分泌のコントロールや脂質の代謝促進といった本来の機能が作用せず、毛穴詰まりを引き起こします。
「きちんと毛穴ケアしているのに毛穴の黒ずみが目立つ」という方は、食生活が悪影響を与えていないか見直してみましょう。
丁寧にクレンジングすると、毛穴の黒ずみが防げます。特に、ファンデーションは毛穴に入り込みやすいので、きれいに落とすよう心がけましょう。
ただし、メイクを落とす際にゴシゴシと強い力でこすると、摩擦により肌が傷つきます。肌質に適したクレンジング商品を使用し、指の腹を使ってくるくる回すようにすると、肌を傷つけずに汚れが落とせます。
私たちの肌は、タンパク質の一種である「エラスチン」により、ハリ・ツヤが保たれています。
しかし、エラスチンは紫外線に弱い特性があり、紫外線によるダメージを受けると、変形もしくは減少して正常に機能しなくなります。それにより、毛穴の開きが生じ、黒ずみの原因となります。
また、ダメージを受けた肌は、バリア機能が低下して乾燥しやすい状態です。肌が潤いを保とうと皮脂を過剰に分泌させた結果、毛穴に皮脂が詰まりやすくなり、黒ずみの原因とつながります。
紫外線は年中降り注いでいるので、一年を通じて紫外線ケアを行いましょう。
肌が乾燥すると、ターンオーバーが乱れ毛穴が開きやすくなるので、日頃より保湿ケアを徹底しましょう。
化粧水や美容液だけではなく、乳液や保湿クリームなどの油分を含んだ基礎化粧品を使用すると、肌から水分が蒸発するのを防げます。
保湿剤を選ぶ際には、負担をかけないためにも肌の状態に応じて選びましょう。脂性肌の方は、油分が少なめでジェル状の保湿剤が適しており、乾燥肌の方は油分が多いクリームタイプの保湿剤が適しています。混合肌の方は、油分と水分どちらもバランスよく配合された保湿剤がいいでしょう。
「セルフケアで毛穴の黒ずみが悪化した経験がある」という方も中にはいるでしょう。毛穴の黒ずみの悪化を防ぐには、美容クリニックでの施術がおすすめです。美容クリニックであれば、医師が肌の状態を確認した上で施術を行います。
毛穴の黒ずみ対策として、美容クリニックが行っている主な施術方法は、次のとおりです。
「ダーマペン」とは、先に16本の細い針が付いているペン型の機器で、肌に穴を開けて自己再生能力を高める施術方法で、毛穴が目立ちにくい状態を目指します。
「レーザー」は、レーザー光線を肌に照射して細胞を刺激し、コラーゲンやエラスチンの生成を促進する働きがあります。それにより、肌のたるみとともに毛穴のたるみを目立たなくさせる作用が期待できます。
「ケミカルピーリング」とは特殊な薬剤で、皮膚表面に残った古い角質を剥がす施術方法です。角質とともに毛穴の皮脂汚れも除去する作用があり、肌の周期に合わせて継続した施術が必要です。
これらの施術方法の他に、「ディープクレンジング」や「スキンスクライバー」があります。この2つの方法は毛穴汚れの除去が目的で、1回あたり1万円前後の料金で施術している美容クリニックもあります。
「毛穴用洗顔料」「毛穴パック」「マッサージブラシ」など、市販アイテムでも毛穴の黒ずみは対策できます。黒ずみを悪化させないように、商品のパッケージに記載されている使用方法をしっかり守りましょう。
また、食生活の見直しや紫外線ケアなど、日常生活においても毛穴の黒ずみ対策ができます。肌のターンオーバーが整えば、毛穴の黒ずみも目立ちにくくなるので、できることからはじめてみましょう。
「セルフケアだけでは不安」という方は、美容クリニックでの施術がおすすめです。美容クリニックでは、肌の状態に応じた施術内容を提案してくれるので、黒ずみに対して適切な方法でケアできます。
監修者
毛穴の黒ずみは市販アイテムでも対策できますが、悪化を防ぐには正しい方法でのケアが大切です。アイテム別にケアの方法について解説します。また、あわせて毛穴の黒ずみができる原因や予防方法もご紹介します。