美容医療コラム
毛穴の黒ずみを解消したい!と考えたとき、まずは手軽に行えるホームケアを知りたいという方も多いと思います。この記事ではホームケアと、美容クリニックでできる施術法を解説します
毛穴の黒ずみの原因は、大きく分けて2つあります。
ひとつは、毛穴に皮脂や古い角質(たんぱく質)が詰まり角栓となったものが、酸化し黒く見える状態です。触るとざらざらとした感触が感じられます。
もうひとつは、炎症によるメラニン色素の沈着です。過剰な皮脂分泌や、できた角栓を餌にアクネ菌が増殖すると、ニキビや吹き出物などの炎症が起きます。炎症によってメラノサイトが刺激され、メラニン色素が大量生成されるため、毛穴回りが黒くなります。
鼻にできた毛穴の黒ずみは、まるでイチゴの種のように見えることから「イチゴ鼻」とも表現されます。
毛穴の黒ずみの解消方法は、ホームケアとクリニックでの施術があります。ホームケアはどちらかというと、根気よく続けて改善を目指す方法です。クリニックでの施術は、ホームケアと同じような施術方法もありますが、医療機器を使用したものが主流です。
クリニックで行う施術でも、一度で気になる部位の改善は難しいでしょう。しかし、ホームケアと比べると、医師の診察・施術により、早期改善が期待できます。
自宅でできるホームケアは、少しずつ改善が見込める方法です。納得のいく状態までにかかるケア期間は、個人差があります。
まずは、ホームケアにはどのような黒ずみ対策があるのか確認してみましょう。
まずは、毎日行う洗顔方法の見直しです。汚れをしっかりと落としたいあまりに、ゴシゴシこすっていませんか?
よかれと思って行っているこの行動が、実は絶対にやってはいけない洗顔方法です。肌にとって摩擦は、ダメージ蓄積につながります。
洗顔するときは、まずたっぷりのぬるま湯(32℃前後)で洗い流し、その後しっかりと洗顔料を泡立てます。「泡のクッションで顔全体を包み込む」イメージで、たっぷりの泡で洗うと、強くこすらなくても汚れや古い角質は自然に剥がれ落ちていきます。
次に洗い残しがないよう、ぬるま湯でしっかりとすすぎます。顔の水分を拭き取るときは、水分をタオルに吸水させるイメージで、上から押さえるようにして行いましょう。
クレンジングも洗顔同様、見直しが必要です。
まず、クレンジング料の形状は、油分の多いクリームタイプやオイルタイプがおすすめです。クレンジング料に含まれている油分が、皮脂やたんぱく質の多い角質に絡まり、やさしくメイクを落とします。
メイクの中でもファンデーションは粒子が細かく、毛穴の中に留まることがあります。メイクの洗い残しは、毛穴の黒ずみになる第一段階ですので、洗い残しがないようにしましょう。
しっかりメイクを落とすなら、クレンジング料は洗い流すタイプがおすすめです。拭き取るタイプを使用する場合は、こすらないように注意してください。
普段行っている保湿方法が、正しいケアか確認してみましょう。保湿は毛穴の黒ずみになりやすい乾燥肌や、オイリー肌の改善につながります。皮脂分泌が多くオイリー肌だと思っていたら、実はかくれ乾燥肌だったなど、皮脂の過剰分泌は肌状態が乾燥していると起こります。
肌は乾燥するとバリア機能が働き、過剰な皮脂分泌で肌を保護しようとします。その結果、余分な皮脂が毛穴に詰まり、黒ずみができるのです。
乾燥には、水分を補う保湿が必要です。洗顔後に化粧水や保湿剤でしっかりと水分を補ったあと、乳液や美容液で水分を逃がさないようフタをすると、きめ細やかなしっとりとした肌に近づきます。
美容クリニックの毛穴の黒ずみ施術は、医療機器を使用したものが大半です。メニューや肌状態などによって個人差はありますが、およそ月1回ペースの通院で改善を目指します。美容クリニックでの施術も、見た目でわかるように変化するまで4カ月〜5カ月かかります。では、それぞれの施術方法を見ていきましょう。
ピコフラクショナルは肌にレーザーを照射し、目には見えない微小な穴(傷)を多数つけ、物理的ダメージを与えます。ダメージを受けた肌は、自己再生能力によりコラーゲン産生を促します。照射間隔が1兆分の1秒のピコレーザーは、瞬間的に効率よく皮膚にエネルギーを伝え、周辺組織へのダメージが少ないとされています。
施術時間はおよそ20分程度です。また、施術中はゴムではじかれた程度の軽い痛みがあるだけなので、痛みに弱いという方におすすめです。施術後の通院はおよそ4週間に1度で、メイクは施術直後から可能です。
ピコフラクショナルはレーザーを使用するので、妊娠中や光過敏症など施術が受けられない方もいます。
ダーマペンは、16本の細い針が搭載されたペン型の美容機器です。細かい部位にも当てやすい形状で、肌の気になる部位に直接穴を開け、自己再生能力を促して改善を目指します。針の長さの調整もでき、ダウンタイムは針の深度によって左右されます。
施術中はチクチクとした痛みがありますが、施術30分前に麻酔クリームを塗布して痛みを軽減します。
施術時間は20分程度で、施術による赤みや腫れは3日〜7日程度で落ちつきます。施術当日は患部を清潔に保つため、メイクや洗顔・スキンケアはできません。
入浴や飲酒、激しい運動も血行を良くし出血や腫れなど、ダウンタイムを長引かせる原因になるので控えましょう。痛みや腫れが出た場合、アイスパックなどで冷やすと痛みを軽減できます。
改善が実感できるまでには個人差がありますが、約4週間に1回のペースで施術を行い、約半年かけて改善を目指します。
CO2フラクショナルは、炭酸ガスを使用したレーザーです。用いられるレーザーは肌の水分に反応する性質があり、蒸散・熱凝固作用で皮膚症状の改善を目指します。
施術時間は20分程度で、翌日からメイクが可能です。ピコフラクショナルと比べると、ダウンタイムは比較的重く赤みも強く出ますが、最近では赤みや痛みが軽減できる機器も導入されています。
施術後の通院は個人差がありますが、3週間程度の周期で4回ほど継続して施術をすると、黒ずみの改善が期待できます。
ケミカルピーリングは、皮膚表面に蓄積された古い角質を薬剤で剥がす施術方法です。サリチル酸やトリクロロ酢酸、グリコール酸など、酸の力を利用した薬剤で古い角質を溶かして剥がし、新陳代謝を促します。
施術中は、ピリピリとした刺激を感じることがあります。施術時間は15分〜20分程度で、個人差はありますが施術後2週間以上の間隔をあけてから通院するとよいでしょう。
メイクや洗顔、入浴は当日から可能です。一度の施術でも変化を実感しやすい施術方法ですが、角質とともに皮脂汚れの除去も期待できるので、肌周期に合わせて継続するとより作用が期待できます。
毛穴の黒ずみを除去する方法は、日常行動の改善が中心のホームケアと、医療機器を使用したクリニックでの施術があります。どの施術もメリット・デメリットがあり、どちらを選択するのか、医師や専門家に相談し決定することが大切です。
あなたも、毛穴の黒ずみ改善に向けて一歩踏み出してみましょう。