美容医療コラム
「痩身エステって本当に痩せるの?」と、疑問に感じていませんか?また、「痩身エステと美容クリニック、施術方法にどんな違いがあるの?」と思っている方もいるでしょう。
ここでは、痩身エステで行っている施術内容と、期待できる作用についてご紹介します。あわせて、痩身エステのメニューと、美容クリニックのメニューとの違いについても解説します。
痩身エステと美容クリニックの大きな違いとして、「非医療行為」であるか「医療行為」であるかが挙げられます。痩身エステは、医療資格がないスタッフでも施術を行えますが、医療行為に該当する美容クリニックの場合は医師免許が必要です。
また、費用にも違いがあり、痩身エステは1回数千円程度で施術が行えるのに対し、美容クリニックは施術内容によっては数万円かかります。価格重視で選びたい方は、痩身エステが適しているでしょう。
ただし、美容クリニックは医療機器を用いた施術ができる分、痩身エステよりも短期間での変化に期待ができます。
痩身エステには、主に5つの施術内容があります。
それぞれの施術内容と期待できる作用について見ていきましょう。
「ハイパーナイフ」とは、脂肪を温めて燃焼を促す痩身マシンです。マッサージを行いながら、痩せたいパーツに特殊な高周波を流し、脂肪とセルライトをもみほぐしていきます。
冷え固まった脂肪が燃焼すると、血行がよくなりむくみ軽減のメリットもあります。
「サーモシェイプ」は、専用マシンから出力される特殊な高周波を気になる部位にあて、脂肪燃焼をサポートします。脂肪燃焼により体内の温度も上昇するので、血行がよくなり、肌のハリや弾力を与える作用も期待できます。
また、リンパの流れがよくなり、むくみが解消されるので小顔が目指せます。
「キャビテーション」とは、専用マシンで特殊な周波数を与えながら、脂肪細胞を刺激する施術です。刺激された脂肪細胞は、老廃物として血液やリンパを通じて体外に排出されるので、スッキリとしたスタイルを目指せます。
また、血流やリンパの流れがよくなるので、代謝が上がりむくみの解消も期待できます。
「インディバ」は、もともとスペインで医療用具として誕生しました。電気メスと同じ高周波で体内に熱を生み出し、血流改善や自律神経を高める働きがあるので、エステだけではなく美容外科や病院でも使用されています。
痩身エステでは、血流改善だけではなく、基礎代謝を向上させ脂肪を燃焼する目的としても使用されています。
エンダモロジーとは、血流やリンパの流れをスムーズにしつつ、セルライトをもみほぐして痩身作用をもたらす痩身マシンをいいます。施術中は、脂肪細胞と老廃物が冷え固まり形成されたセルライトを、「もむ」「吸引する」という動作によってほぐしていきます。
それにより、セルライトによる皮膚表面の凸凹を解消できるだけではなく、血流やリンパの流れをよくして太りにくい体質へと導いてくれます。
「EMS」とは「Electrical Muscle Stimulation(エレクトリカル・マッスル・スティムレーション)」の略で、電気の刺激によって筋肉を収縮させる施術方法をいいます。脂肪細胞やセルライトへ働きかける他の痩身マシンとは異なり、EMSは筋肉に働きかけて痩せる作用をもたらします。
インナーマッスルが鍛えられ、新陳代謝が高まると同時に脂肪燃焼も促進されるので、リバウンドを防げるといったメリットがあります。日頃、運動する機会が少ない方にもおすすめです。
美容クリニックの痩身メニューには、主に6つの方法があります。
それぞれの内容と期待できる作用について解説します。
美容クリニックでは、痩身マシンを使用したメニューを取り入れています。機器によって、「超音波」「赤外線」「ローラーによるマッサージ」など機能性は異なりますが、いずれも脂肪の燃焼を目的としています。
痩身マシンの特徴と、施術できる部位は下記の通りです。
痩身マシン | 特徴 | 施術できる部位 |
ウルセラ(ハイフ) | ・高密度焦点式超音波によって脂肪細胞を破壊する | ・顎下
・フェイスライン ・脇 ・二の腕 ・膝上 |
クールスカルプティング | ・低温に弱いといった脂肪の特性を生かし、冷却して脂肪細胞を死滅させる | ・顎下
・脇 ・背中 ・腰 ・二の腕 ・お尻 ・ふくらはぎ ・脇腹 ・腹部 ・どて(恥骨上) ・外もも ・内もも ・膝上 ・胸部(男性のみ) |
トゥルースカルプiD | ・脂肪細胞のみを加熱し破壊する
・破壊された脂肪細胞は体外へ排出される |
・顎下
・二の腕 ・ウエスト ・腹部 ・腰 ・臀部(でんぶ) ・バナナロール(お尻の下の脂肪) ・太もも ・ふくらはぎ ・膝上 |
ヴァンキッシュME(R) | ・皮膚には直接触れずに脂肪組織を加熱し、破壊する | ・腹部
・臀部(でんぶ) ・太もも |
スカルプシュアー | ・42℃~47℃間で加熱・冷却を繰り返しながら脂肪細胞を破壊
・破壊された脂肪細胞は体外へ排出される |
・背中
・腰 ・臀部(でんぶ) ・ふくらはぎ ・二の腕 ・腹部 ・太もも |
リポフラット | ・ラジオ波で脂肪を溶解し、代謝を上げる
・電流で筋肉を収縮させる「EMS」と吸引機能によってシェイプアップ、むくみ解消をサポート |
・顔
・背中(上部・下部) ・二の腕 ・腰 ・ウエスト ・腹部 ・臀部(でんぶ) ・太もも(前面・内面・後面) ・ふくらはぎ |
痩せたい部位に、脂肪溶解作用がある医薬品を注射器で注入する「脂肪溶解注射」には、脂肪細胞を破壊する作用があります。脂肪細胞が破壊されると、溶けた脂肪は老廃物となり、汗や尿と一緒に体外へ排出されます。
また、脂肪溶解注射には、リンパの循環作用を促進する働きもあるので、肌の引き締めも期待できます。1回の施術費用は1,000円〜3,000円台で、美容クリニックの痩身メニューとしては利用しやすい価格設定という点も、脂肪溶解注射の特徴といえるでしょう。
基本的に強い痛みは伴いませんが、術後に内出血や腫れといった副作用が起きる場合があります。
「抗肥満症薬注射」には、胃から小腸への消化物の移動を遅らせる働きがあり、血糖値の急上昇を防いでくれます。それにより、食欲を抑えられるので、痩身はもちろんのこと内臓脂肪を減らす作用も期待できます。
さらに抗肥満症薬注射は、ドクターの診察を受けた後は自宅での使用が可能です。定期的に美容クリニックに通うのが難しい方には、取り入れやすい施術方法といえるでしょう。
ただし、脱力感や倦怠感など、副作用が生じる恐れがあります。注射を打った後に体調の異変を感じた場合は、すぐに使用を中止して医師に相談しましょう。
ボトックス注射には、一時的に筋肉の運動能力を低下させて、筋肉を細くする作用があります。
その特性を活かして、主にふくらはぎや二の腕、太ももを細くしたい場合に適用されます。ボトックスを注入後、2日〜3日程度で徐々に変化しますが、見た目に分かる変化を実感するまでには3カ月程度を要します。
ちなみに、妊娠中の方はボトックス注射を受けられません。また、ボトックスに反応してアレルギー反応が起きる恐れがあるので、アレルギー体質の方や持病がある方も使用できない場合があります。
脂肪吸引とは、超音波や高周波で脂肪を柔らかくしてから、脂肪細胞を吸引する方法をいいます。「カニューレ」と呼ばれる2ミリ~4ミリ程度の細い管で脂肪細胞を吸引し、数を減らすことにより、リバウンドしにくい体へと導いてくれます。
ただし、短期間で変化を実感できる反面、体への負担が大きいのがデメリットです。1回の吸引量は体重の3%〜5%と制限が設けられているので、1度で全身の施術は行えません。
また、術後は筋肉痛のような痛みや、内出血を生じる恐れがあります。
美容クリニックでは、痩身に特化した内服薬や漢方薬を処方しています。無理なくダイエットしたい、食事量が多い、痛みを伴う施術を避けたい方などにおすすめです。
痩身目的のピルには、食欲を抑えると同時に、脂肪吸収や炭水化物の吸収を抑制する作用がありますが、まれにお腹を下すなどの副作用が起きる恐れがあります。副作用が心配な方は漢方薬を服用しましょう。
東洋医学に基づいて処方された漢方薬は、痩身目的だけで作られてはいないので即効性は期待できませんが、肥満の根本を改善してリバウンドしにくく痩せやすい体質へと導いてくれます。健康的なダイエットを目指す方にも漢方薬はおすすめです。
痩身エステのメニューには、痩身マシンによって冷え固まった脂肪を温めながらほぐしていく方法や、筋力を高めて新陳代謝を促す方法があります。非医療行為であるため即効性はありませんが、施術を継続すれば太りにくい体質へと近づけるでしょう。また、施術1回につき数千円~と、美容クリニックよりは利用しやすい料金設定となっています。
美容クリニックでは医療行為に該当するものが行えるので、内服薬や医療機器を用いた痩身メニューも導入しています。短期間での痩身を目指す方には、美容クリニックの痩身メニューがおすすめです。