美容医療コラム
この記事の概要
人中ボトックス注射はダウンタイムが少ない施術方法ですが、副作用や注意点を把握しておく必要があります。施術の内容と副作用・注意点について解説します。
皆さんは、人中短縮ボトックス注射をご存じでしょうか? 人中(じんちゅう)がどのような場所なのか、知らない方もいらっしゃるかもしれません。人中を短縮する施術にはいくつかありますが、人中ボトックス注射は、顔にメスを入れたくない方におすすめの施術です。
外科的な施術との違いはダウンタイムの短さや、施術に対する抵抗感が低い点が挙げられますが、どの施術であっても副作用や注意すべき点がいくつかあります。
この記事では人中ボトックス注射の施術内容と、施術を行う前に知っておきたい副作用や注意点について解説します。
人中短縮ボトックスとは、上唇に近い筋肉にボトックス注射をして、鼻の下を短くする施術です。人中とは鼻と口の間にある溝のことで、人中の長さは人の顔の印象に大きな影響を与えているといわれています。
上唇が上を向くようになると人中が短縮したように見え、口元が若々しい印象になります。
人中短縮ボトックスは、口の周りの筋肉である口輪筋(こうりんきん)の上唇側にボトックスを注射します。すると筋肉の動きが抑制され、緊張がほぐれ唇が上を向くようになって上唇が表に出てきます。上唇が薄いケースほど、人中の短縮効果が期待できます。
その他にも以下のような方におすすめです。
ボトックス注射とは、気になる部位にボツリヌス毒素製剤を注射する施術です。注入した部位の筋肉の動きを止める作用があるので、人中短縮以外にもしわやたるみなどの改善を目的とした施術にも使用されています。
ボツリヌス毒素製剤とは、ボツリヌス菌が作り出すタンパク質の成分を加工したもので、人体に悪い影響はありません。
また、美容意識の高まりによって、施術を検討している方も多くなったといえます。それでは、人中短縮にボトックス注射が行われている理由をご紹介します。
人中短縮ボトックス注射は、ダウンタイムがほとんどありません。上唇の上に注射を打つため、注射をするときの痛みや薬剤注入による腫れは見られます。しかし、その程度には個人差があります。
一般的に見られるダウンタイムは、以下のとおり。
施術後の通院は必要ありませんが、痛みが続いたり、感染、内出血などが見られたりする場合は、施術を行ったクリニックを早めに受診しましょう。
人中短縮の施術はボトックス注射だけではなく、外科的な手術で行われるケースもあります。人中短縮ボトックス注射は、切ったりする必要がないため、外科的な施術よりもハードルが低いと考えられます。
手術で行う人中短縮の施術は、鼻下の余剰な皮膚を切除して行います。半永久的に作用を維持できますがダウンタイムが長く、気にいらなかったとしても元に戻すことは難しいのが現状です。
しかし人中短縮ボトックス注射の場合は数カ月で元に戻るため、手術よりも手軽に行えるのもメリットといえるでしょう。
人中ボトックス注射はダウンタイムがほとんどなく、施術に対するハードルは低いと感じる方も多い施術ですが、いくつかの副作用があります。副作用の程度には個人差がありますが、あらかじめ理解してから施術を行うようにしましょう。
ボトックス注射で使用する薬剤を体が異物と察知すると、アレルギー反応を起こすケースがあります。腫れやかゆみ、赤みなどの症状が現れ、1週間~1カ月程度続く場合があります。
重度のアレルギー反応が現れることは少ないですが、アレルギー症状が長引いたときは、施術を行ったクリニックを受診しましょう。
個人差はありますが、注射による内出血が起こるケースがあります。内出血は、時間の経過とともに徐々に落ち着き、一般的には1週間程度で治まります。
また、内出血の程度は、施術を行う医師のスキルによって差が出る場合もあるため、経験豊富な医師に施術してもらうようにしましょう。
人中短縮ボトックス注射は、筋肉を緩める作用があるので、施術後にしびれているような筋肉の違和感を生じるケースがあります。
薬剤が効き過ぎた場合は、口を動かしにくくなる方もいます。特に食事のときや会話、歯磨きなど日常生活に支障をきたす場合もあります。
その他にも、薬剤の量の調整がうまくいかないとこわばったり、不自然な表情になったりするリスクもあるため、医師のスキルが重要です。
筋肉の違和感を生じたとしても時間の経過とともに薬剤の作用が弱まっていくため、違和感は軽減されます。
人中短縮ボトックス注射の作用は永久的に続くのではなく、一度の施術で約3カ月~6カ月ほどしか持続しないので、人中を短縮したい場合は繰り返して施術を行う必要があります。
また、ボトックス注射直後からすぐに人中が短縮されるわけではありません。術後の状態が安定するまでに、約2週間は必要とされています。
ボトックスは熱に弱いため、施術後1週間は長湯やサウナなど、体を温めるような行為は避けましょう。脱毛など体に熱を加えるような施術や行為も、念のためしばらくは控えましょう。
一見すると人中短縮ボトックスとは無関係のように感じるかもしれませんが、女性は施術後約2カ月、男性は約3カ月の間は避妊をする必要があります。人中短縮ボトックス注射の施術を受ける場合は、その後のスケジュールなども考えて行うようにしましょう。
その他にも以下の方は、ボトックス注射を行えません。
上記の項目に当てはまらない方でも、医師から薬を処方されている場合は、必ずクリニックの医師に人中短縮ボトックス注射を検討していると伝え、施術が可能かを相談しましょう。
人中短縮ボトックスは、上唇の上部にボトックス注射をして鼻下にある人中を短くする施術です。
人中短縮ボトックスはダウンタイムがほとんどなく、顔に傷跡も残らないのが特徴です。もし施術の仕上がりが気に入らないとしても、半年程度で元に戻ります。
美容に関する施術の中では、人中短縮ボトックスは比較的行いやすい施術ですが、施術を受ける前に副作用や注意点を理解しておくことは大切です。
また美容クリニックの医師の中には、形成外科や皮膚科を専門としていない医師が存在するのも事実です。形成外科医であったとしても、美容医療に精通していない医師も数多くいます。
美容医療に携わる医師において経験やスキルに差があるため、価格や立地条件だけでクリニックを決めるのは避けるようにしましょう。自分が納得できる施術の仕上がりを求めるならば、信頼できる医師を見つけるのが大切です。