美容医療コラム
「エステハイフ」と「医療用ハイフ」は同じ施術だと思われがちですが、実は特徴や作用が異なることをご存知でしょうか?
ここでは、エステハイフと医療用ハイフの違いについて解説します。エステハイフと医療用ハイフ、それぞれのメリット・デメリットについてもご紹介しますので、施術を受けようか検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
ハイフとは「High Intensity Focused Ultrasound」の略で、日本語で「高密度焦点式超音波治療法」のことです。本来、医療現場におけるがん治療の一種として使用されていましたが、現在ではメスを使わない美容法としても用いられるようになりました。
ハイフ治療は、超音波による熱エネルギーで集中的に肌を刺激し、コラーゲン繊維を活性化させます。それにより、「SMAS筋膜」と呼ばれる皮下組織と表情筋の間にある薄い膜を引き締め、肌のたるみやしわの改善へと導きます。また、ハイフには血行促進の作用もあり、ツヤのある肌質を目指せる美容法としても注目を浴びています。
ハイフは、エステサロンで施術が行える「エステハイフ」と、美容クリニックなど医療機関で行える「医療用ハイフ」の2種類に分けられます。「エステハイフ」と「医療用ハイフ」は特徴が異なるため、施術を検討している方はそれぞれの違いについてしっかり把握しておきましょう。
エステハイフと医療用ハイフには、次のような違いがあります。
エステハイフと医療用ハイフでは、超音波の出力量が異なります。
エステハイフは出力が弱いので、SMAS筋膜までレーザーが届きにくい仕組みとなっています。
それに対し、医療用ハイフは出力が強く、SMAS筋膜まで超音波の熱が届きます。
ちなみに、医療用ハイフは医療機関でしか扱えない機器であるため、エステサロンでは使用できません。
エステハイフと医療用ハイフは、1回あたりの施術料金も異なります。
エステハイフは1回5,000円程度の店舗があるのに対し、医療用ハイフは1回20,000円程度が相場です。
ただし、あくまで1回あたりの施術料金であり、エステサロンやクリニックによっては別途カウンセリング料、アフターケア料、コース料金などが発生する場合がありますので、詳しくは各店舗やクリニックにご確認ください。
医療用ハイフはエステハイフよりも出力量が強いので、作用の持続期間が長い傾向にあります。個人差はありますが、医療用ハイフは6ヵ月〜1年程度持続するのに対し、エステハイフは2週間〜1ヵ月程度です。
ハイフの施術を受ける際には、目指す状態、料金、作用の持続性についても考慮しながら、ご自身に合った方法を検討しましょう。
ハイフは使用する機器の照射時間や、出力レベルによって痛みが異なります。そのため、作用が期待できる分、出力レベルが強い医療用ハイフの方が、エステハイフよりも痛みが強い傾向にあります。
ただし、エステハイフも肌に熱エネルギーを与えることには違いないので、一概に「エステハイフに痛みはない」とはいいきれません。さらに、皮膚や脂肪の厚み、痛みの感じ方などで個人差が生じるため、エステハイフでも「痛い」と感じる方もいることを理解しておきましょう。
施術後の痛みや副作用については、医療用ハイフ、エステハイフともに「肌が赤みを帯びる」「むくみ」「腫れ」などの症状が現れる恐れがあります。
医療用ハイフのメリット・デメリットについて見ていきましょう。
医療用ハイフのメリットは、医師や看護師といった医療知識を持つスタッフが対応する点です。ハイフ施術は、火傷や腫れといったリスクを伴うので、場合によっては肌を傷つける恐れがあります。しかし、医療知識を持ったスタッフであれば、リスクを抑えられるうえに、何らかの肌トラブルが起きてもすぐに対処してもらえます。
また、医療機関である美容クリニックなら麻酔が使用できるため、痛みに弱い方でも痛みを抑えた施術が行えます。
さらに、出力レベルが高い医療ハイフは持続性があり、半年~1年に1回の施術で状態を保つことが可能です。
「医療知識を持ったスタッフによる対応」「麻酔が使える」「持続性に優れている」といったメリットがある反面、医療用ハイフは料金が高いデメリットがあります。
また、肌の深層部にあるSMAS筋膜まで、レーザーが達した際に痛みを伴います。痛みを軽減するために麻酔を導入している美容クリニックもありますが、エステサロンで用いられるハイフに比べて痛みを感じやすいと理解しておきましょう。
さらに、医療用ハイフは超音波の出力レベルが高い分、「腫れ」「火傷」「むくみ」などの副作用が生じる恐れがあります。施術中に違和感を覚えた際は、施術を中止してもらうことが大切です。
むくみに関しては、一般的に術後1週間程度で治まりますが、1週間以上経過しても症状が改善されない場合は、施術を受けたクリニックに相談しましょう。
続いて、エステハイフのメリット・デメリットについて見ていきましょう。
エステハイフは医療用ハイフと比較すると、1回あたりの料金が利用しやすい金額に設定されています。継続して通いやすいという点は、エステハイフのメリットでしょう。
さらに、エステハイフは出力レベルが弱いため、痛みを感じにくい傾向があります。体質の都合で麻酔が使用できない、痛みに弱いといった人は、エステハイフの方が向いているといえるでしょう。
また、エステサロンの特徴は、リラクゼーションを目的としている点です。店舗によってはリンパマッサージなど、他のメニューと組み合わせて施術を行っているところもあります。お得にハイフを利用したい方、リラクゼーションを兼ねて利用したい方は、エステハイフが適しているでしょう。
エステハイフは出力が弱く痛みも少ないですが、医療用ハイフに比べて持続期間が短いデメリットがあります。1回あたりの施術料金は安くても、頻繁に通うと医療用ハイフと変わらないコストがかかるケースもありますので、事前に施術期間や回数などを確認しておきましょう。
また、エステハイフは医療用ハイフと同様に、「腫れ」「火傷」「むくみ」などの副作用が生じる場合がありますが、エステサロンは美容クリニックのように医療知識を有しているスタッフがいるとは限りません。そのため、施術後のアフターケアや肌トラブルが起きた際の保証制度など、事前の確認をしっかり行いましょう。
エステハイフと医療用ハイフは、「出力量」「料金」「作用の持続性」「痛み」が異なります。また、医療用ハイフは医師や看護師など、医療に関する資格を有したスタッフしか施術を行えませんが、エステハイフは医療に関する知識を有していないスタッフでも施術が可能です。
ある程度の痛みは伴っても、持続期間や作用を優先したい方は医療用ハイフ、コスト重視の方やリラクゼーションを目的にしている方はエステハイフが適しているでしょう。
ただし、エステハイフは1回あたりの料金は安くても、作用の持続期間が短い傾向にあるので、頻繁に通う必要があります。その点にも留意しながら、どちらで施術を受けるか検討をおすすめします。