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美容医療コラム

健康保険は使えるの?形成外科と美容外科の違いと具体的な保険診療の事例を解説

 
健康保険は使えるの?形成外科と美容外科の違いと具体的な保険診療の事例を解説

この記事の概要

形成外科と美容外科には、どのような違いがあるのでしょうか?どのようなケースで健康保険が使えるのか、具体的な治療の事例とともに解説します。

形成外科と美容外科は、見た目を整える治療という点において似ているように感じますが、治療の目的や健康保険適用の面では大きく違いがあります。

 

しかし、2つの診療科の違いがわからない場合、「健康保険は使えるの?」「形成外科と美容外科の具体的な違いは?」と、疑問に思っている方も多いはず。

 

そこで、健康保険が適用となる条件や形成外科と美容外科の違い、保険診療となる具体的な事例などについて解説します。形成外科と美容外科の違いがはっきりわからない方は、ぜひ参考にしてみてください。

保険診療について

厚生労働省の『保険診療の理解のために』の資料によると、保険診療とは以下のように明記しています。

  • 健康保険法等の医療保険各法に基づき、保険者と保険医療機関の間で交わされた契約である
  • 保険医療機関の指定や保険医の登録は、医療保険各法等で規定されている「保険診療のルール」を熟知している必要がある

とされています。

 

医療保険が適用されるのは、基本的に病気や疾患が原因のもので、国が保険診療として認めた治療法に限ります。治療を行った場合、国民健康保険や社会保険などの公的医療保険が適用され、費用は診療報酬に対して1割から3割の額を自己負担する仕組みとなっています。診療報酬は、処置や診察など項目が厚生労働省によって細かく点数化されており、それに基づいて請求されます。

 

日本は国民皆保険制度のため、上記の対象となる病院と治療で、全員が保険診療を受けられます。ただし、治療内容によっては保険診療外になる場合もありますので、事前に確認しましょう。

 

参照資料:厚生省[スライド資料]保険診療の理解のために【医科】2 (mhlw.go.jp)

形成外科と美容外科の違いと保険診療

形成外科と美容外科の違いと、保険診療とのかかわりを見ていきましょう。

 

形成外科は、生まれつきの病気やケガなどで、外見や機能面に問題がある部位を正常に近い状態に戻す治療を目的としています。例としてガン切除後の再建手術は、形成外科に該当します。形成外科での治療は、基本的に保険診療となる場合が多いです。

 

一方で美容外科は、二重まぶたにしたい方や顔のシミを取りたいなど美容に関する治療、つまり自身の生活の満足度を上げるための治療を目的としています。日常生活を送る上での機能面に問題はないと判断され、保険診療とならないケースが多いです。

 

美容外科は形成外科から発展した診療科で、2つの間に明確な違いはありません。なぜなら、形成外科の知識や技術がないと美容外科の治療は難しいといわれています。症状によって皮膚科や整形外科などの知識が必要な治療もありますので、形成外科・美容外科にかかわる医師には幅広い知識が求められます。

 

ちなみに形成外科と整形外科も、よく混同されがちな診療科です。整形外科では骨や筋肉など運動面への異常を扱うのに対し、形成外科では皮膚や骨の形などから起こる見た目への影響が対象となります。ただし、顔面の骨折や手足の先天性異常などは形成外科になります。

 

このように、形成外科や美容外科、整形外科などお互いに影響しつつ発展してきました。

「形成外科」と「美容外科」の違いとは?美容医療の基本について解説

保険診療となる具体的な事例

保険診療の概要や形成外科と美容外科の違いについて解説しましたが、実際にどのような治療が保険診療に該当するのでしょうか。ここでは、具体的な事例を5つご紹介します。

眼瞼下垂(がんけんかすい)

眼瞼下垂とは、まぶたを持ちあげる筋肉の機能に異常を起こし、視界が狭くなる疾患です。顔を正面に向けまぶたを持ち上げたとき、瞳孔が完全に見えるまで引き上げられない状態を指し、まぶたが十分に開かないため視界が遮られてしまいます。両方のまぶたに起こるケースや、片方のまぶただけに起こる場合があります。

 

主な原因は生まれつきの筋肉発達異常と、加齢による腱膜や筋のゆるみです。視界が遮られてしまうと、肩などに力が入り頭痛や肩こりなどの症状に悩まされる方もいます。

 

保険診療となるのは、まぶたの筋肉の異常により視界が狭くなっている状態です。皮膚のたるみを解消するだけの場合、保険診療外となります。

シミやイボなど

シミやイボだと思っていたものが実は皮膚腫瘍(ひふしゅよう)や軟部腫瘍(なんぶしゅよう)、皮膚癌(ひふがん)だということもあります。軟部腫瘍は形成外科でもよく扱う疾患の一つで、いわゆる「はれもの」や「できもの」などの総称です。悪性腫瘍のうち皮膚の表面からできたものはガン、脂肪や筋肉などの組織からできたものは肉腫(にくしゅ)と呼ばれます。

 

保険診療とするには厚生労働省から薬事承認を受けた、医療機器を使用する必要があります。

なお、一般的な加齢によるシミを取るための治療や、薬事承認を得ていない機器を使用しての治療は保険診療外となります。

ワキガ

腋臭症(えきしゅうしょう)、いわゆるワキガによって日常生活や就労に支障があり、医師に「治療する必要がある」と認められた場合は保険診療となります。体にある2つの汗腺、エクリン腺とアポクリン腺のうち、臭いの基となるのはアポクリン腺から出る汗です。アポクリン腺から出る汗は脂質やタンパク質を含んでおり、皮脂や細菌と混じると臭いが発生します。

 

保険診療では、アポクリン腺そのものを取り除く「皮弁法(ひべんほう)」「剪除法(せんじょほう)」が行われます。

でべそ(臍ヘルニア)

でべそは、皮膚が前方に突き出した「臍突出症(さいとっしゅつしょう)」と、お腹の中の腸管が前方に突き出す「臍ヘルニア」に分けられます。臍ヘルニアはおおよそ2歳までに自然治癒しますが、治らない場合は手術が選択肢に入ります。放っておくとお腹の中の内臓が突起している状態になり、痛みや合併症を引き起こしたり、飛び出した腸管が出口で強く締めつけられ血流障害を起こしたりする恐れがあります。

 

変形が重度の場合は保険診療となりますが、臍の形をキレイに整えたいなどの美容目的であれば、保険診療外となります。

陥没乳頭(かんぼつにゅうとう)

乳頭が皮膚の外側に突き出しておらず、乳房の内側に入り込んでいる状態です。指で引っ張るなど刺激を与えると突出する軽度のものを「仮性」、刺激しても出てこないものを「真性」といいます。陥没乳頭の原因は体質的なものが強く、母乳をつくる器官「乳腺」と、母乳が通る管「乳管」の発達バランスの悪さだといわれています。陥没は生まれつきの場合と、乳がんや乳腺炎によって乳頭が陥没するケースがあります。

 

出産後、授乳障害がある場合や乳房が張ってしまって痛い、またはへこんだ部分に汚れが溜まり乳腺炎を引き起こしたときは保険診療となりますので、産後に気になる方は受診してみてください。乳首の形をキレイに変えたいなど美容目的であれば、保険診療外です。

まとめ

見た目の変形や異常を正常に近い状態に再建する目的の形成外科、美容などの目的で生活の満足度を上げる美容外科。それぞれの診療科が行う治療の目的や、違いは理解できたでしょうか。見た目を整えるという点では似ている部分もありますが、症状の原因や健康保険において異なります。

 

今回は多く見られる具体的な事例を5つご紹介しましたが、保険診療となる事例はほかにもありますので、気になる方はクリニックに確認してみましょう。

 

形成外科や美容外科を利用したいけれど違いがよくわからない方は、健康保険が適用される条件や目的の違いなどを参考にしてみてください。

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