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美容医療コラム

皮膚科で行われている薄毛治療とは? 施術内容と薄毛のメカニズムについて解説

 
皮膚科で行われている薄毛治療とは? 施術内容と薄毛のメカニズムについて解説

この記事の概要

皮膚科で薄毛治療をを受ける前に知っておきたい、薄毛のメカニズムと施術内容について解説します。

「気づいたら生え際が薄くなっていた」「頭頂部の頭皮が透けて見える」といった、髪に関する悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?

薄毛は男性だけではなく、女性にとっても切実な悩みの1つです。放っておくとどんどん進行する恐れがある薄毛は、皮膚科でも治療が行われています。治療を受ける前に知っておきたい薄毛のメカニズムと、施術内容について解説します。

皮膚科で薄毛治療ってできるの?

薄毛といえば男性の悩みと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、女性でも薄毛に悩んでいる方は多くいます。

自分でできる薄毛対策には、気になる部分にウィッグや増毛エクステをつけたり髪にボリュームを出すためにヘアスタイルを工夫したりと、隠すことに視点が向きがちです。

しかし、薄毛の悩みを抱える方が多くなった近年では、皮膚科で発毛・育毛を目的とした薄毛治療を行う人が増えています。皮膚科で行われる薄毛治療は、薄毛の原因によって保険適用となるケースがありますが、基本的に病気が原因で薄毛になっている場合のみです。

一般的な薄毛治療は、保険適用外の自由診療となります。

ヘアサイクルと薄毛の関係性

髪の本数は産まれた時点でほぼ決まっており、一般的に約10万本といわれています。また、髪は定期的に生え変わるもので、生えた毛髪が成長し寿命を迎えたら自然と抜け落ち、そして新たな毛髪が生えてくるのです。この繰り返しを「ヘアサイクル(毛周期)」と呼び、段階によって「成長期」「退行期」「休止期」に分かれています。

成長期

成長期とは名のとおり、髪が成長する時期です。成長期は2年〜6年で、髪の根元にある毛母細胞が活発に分裂して髪は成長します。成長期の髪は髪全体の約80%~90%を占めており、個人差はありますが、1日で0.3〜0.4ミリ成長するといわれています。

成長期はさらに、成長過程によって「早期」「中期」「後期」の3つに分かれます。

早期

早期は頭皮に髪が生えてくる前段階で、新しい髪の成長によって古い髪が抜け落ちていく時期です。

中期

中期は毛根が成長し、細い髪が頭皮に現れる時期です。

後期

後期は私たちがいつも目にしている、しっかりとした髪に成長する時期です。

退行期

退行期は成長期の次にくる段階で、期間は2週間〜3週間程度です。毛母細胞と毛乳頭細胞が離れ、栄養が十分に行き届かなくなり髪の成長が遅れます。

退行期は髪が抜けやすく、ブラッシングなどで簡単に髪が抜けることも少なくありません。退行期の髪は全体の約1%といわれています。

休止期

休止期は退行期の次にくる段階で、期間は約3カ月〜4カ月です。この期間は、毛乳頭細胞から毛母細胞へと栄養が供給されなくなるため、髪の成長は完全に止まります。

髪は抜ける準備に入ると同時に、新しい髪の毛を作る準備に入る段階でもあります。休止期の髪は全体の約10〜20%です。

ヘアサイクルの乱れと薄毛の関係とは?

ヘアサイクルが乱れると髪が十分に成長せず、元気のない細い毛髪であったり、成長しきれないまま抜け落ちたりします。その結果、地肌が見えやすく薄毛が気になる状態になります。生活習慣やホルモンバランスの乱れ、ストレス、過度なダイエット、加齢などがヘアサイクルの乱れる主な原因です。

十分な睡眠や適度な運動、食生活を整えるなどの生活習慣の見直しで、ヘアサイクルの乱れを予防できます。睡眠は時間だけではなく、質のよい睡眠をとるようにしましょう。寝ている間に髪の成長に必要な成長ホルモンが分泌されます。

また食生活に関しては、髪の主成分であるケラチン(タンパク質)や亜鉛、ビタミンB群などを意識して摂取しましょう。その他にも、過度なストレスは交感神経を刺激して血行不良を招き、髪に必要な栄養が十分に行き渡らなくなるので、髪の成長を妨げます。

薄毛の種類

薄毛と一括りにしても「男性型脱毛症」と「女性型脱毛症」に分けられます。どちらも薄毛には変わりありませんが、その特徴と原因に違いがあります。

男性型脱毛症(AGA)

男性型脱毛症は「AGA」といわれており、成人男性に多く見られる脱毛症の1つです。男性型脱毛症は、さまざまな原因が関係していると考えられていますが、多くは遺伝や男性ホルモン、環境的なものが影響しているといわれています。

男性ホルモンの「テストステロン」が、酵素の一種「5αリダクターゼ」と結びついて「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換されます。DHTが増えると、ヘアサイクルの成長期が短縮したまま退行期に進んでしまい、薄毛につながります。

男性型脱毛症は、一般的に生え際や頭頂部のつむじ周辺から抜け毛が目立つようになり、進行性であるのが特徴です。

また、脂漏性湿疹や内臓疾患などが関係し、薄毛となるケースもあります。

女性男性型脱毛症(FAGA)

女性男性型脱毛症は「FAGA」といわれており、女性に起こる脱毛症です。いまだ、女性型脱毛症の明確な原因は解明されていませんが、更年期前に発症した場合は、男性ホルモンの過剰な分泌が原因と考えられています。

更年期後に発症した場合は、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌量の低下など、さまざまな原因が関係しています。

女性男性型脱毛症は、頭頂部を中心に比較的広範囲で、髪のハリやコシが低下し細く柔らかい髪が多くなり、全体的にボリュームがなくなるのが特徴です。

その他、女性は出産後やホルモンバランスの乱れなど、一時的な脱毛症が起こる場合もあります。

皮膚科で行われる薄毛治療とは?

皮膚科で行われる薄毛治療は、主に薬物治療です。薄毛の原因や症状によって、使用される薬が異なり、内服薬と外用薬が使い分けられます。

治療に使われる薬剤は、男性型脱毛症と女性男性型脱毛症によって異なり、性別によって禁忌な内服薬があります。また、病院によって取り扱っている薬も異なります。

男性型脱毛症

男性型脱毛症の治療に使われる代表的な薬剤は、以下のとおりです。

ザガーロ

ザガーロは、髪の成長を妨げる酵素といわれる、5αリダクターゼの1型・2型のどちらも阻害します。そのため、抜け毛の原因物質であるDHTを抑制する作用があります。すぐに作用が現れるわけではなく、約6カ月以上服用を継続する必要があります。副作用が起こるリスクが高いため、女性や子どもは服用できません。

プロペシア

プロペシアは、男性ホルモンのテストステロンから5αリダクターゼの2型を阻害し、DHTの生成を抑制する作用があります。DHTの生成抑制によって、毛周期を正常なサイクルに戻す作用が期待できます。ザガーロ同様、女性の服用は認められていません。

ミノキシジル

ミノキシジルは、発毛を促す作用があります。末梢血管を拡張し、頭皮の血行を促しながら毛根を刺激し発毛を促す薬剤です。

ヴェラルティス

ヴェラルティスは、発毛作用があるミノキシジルに加えて、さまざまな発毛成分を含んだ外用薬です。

女性男性型脱毛症

女性男性型脱毛症の治療に使われる代表的な薬剤は、以下のとおりです。

パントガール

パントガールは女性に多く見られる、びまん性脱毛や白髪予防が期待できます。髪の成長に必要な成分である「シスチン」「ビタミンB」「パントテン酸カルシウム」「ケラチン」などが配合されており、髪の健康維持を促します。男性が服用してもあまり効果が見られないため、主に女性に処方される薬です。

ミノキシジル

男性型脱毛症でご紹介しましたが、女性にも使える薬です。髪の毛だけではなく、体毛にも作用する場合があります。

リポゲイン

リポゲインは、発毛作用があるミノキシジルを3%配合した外用薬です。副作用として、むくみが生じるケースがあります。

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まとめ

薄毛は男性だけではなく、女性にとっても大きな悩みです。デリケートな悩みであるため、人に相談しにくいという方も少なくありません。一人で悩みを抱えているとストレスとなり、かえって薄毛を招く恐れもあります。

薄毛に悩んでいる方は、薄毛のメカニズムを把握した上で、皮膚科を受診し適切な治療を行いましょう。悩みを解消し、自分に自信を持ってあなたらしい毎日を送りましょう。

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