美容医療コラム
この記事の概要
しわやたるみ改善、バストアップなど多岐にわたって用いられる「ヒアルロン酸注射」について、治療が適している部位や作用についてまとめました。併せて、副作用と注意点についてもご紹介します。
しわやたるみが目立ちにくくなる方法としてだけではなく、バストアップが期待できるヒアルロン酸注射。メスを入れない施術として、美を追求する方からは長年注目されていますが、「本当にしわやたるみが改善できるのか」「リスクはないのか」と、気になる方もいるでしょう。
ここでは、ヒアルロン酸注射の作用や適している部位について解説します。併せて、副作用や注意点についてもご紹介しますので、ヒアルロン酸注射を検討されている方は参考にしてください。
「ヒアルロン酸注射って聞いたことはあるけど、どのような施術方法なのか具体的には知らない」という方もいるでしょう。まずはヒアルロン酸注射の作用と、持続する期間からご説明します。
ヒアルロン酸注射とは、加齢とともに減少するヒアルロン酸を注入する施術方法です。しわの改善が期待できるイメージが強いヒアルロン酸注射ですが、実は小じわや表情じわの改善だけではなく、バストアップや鼻筋を高くする目的など多岐にわたって用いられています。
ヒアルロン酸注射は「プチ整形」に該当し、施術時間は5分〜10分程度と短時間です。
作用は長く続かないというデメリットがある反面、自然な仕上がりになるため、周囲には知られにくいというメリットがあります。
ヒアルロン酸注射は、ヒアルロン酸の種類、施術した部位にもよりますが、約半年〜2年の持続が期待できます。
持続期間が過ぎるとヒアルロン酸は体内に吸収されるので、継続した症状の改善を目指す方は半年〜2年に1回は施術を繰り返したほうがいいでしょう。
ただし、ヒアルロン酸を打ち続けると、顔や胸のバランスが崩れ、不自然な状態になる恐れがあります。ヒアルロン酸注射が持つ本来の機能を正常に引き出すためにも、定められた期間、間隔を空けることが大切です。
ヒアルロン酸注射は、しわやたるみが気になる部位ごとに施術を行います。どの部位に適しているのか、そしてどのような作用がもたらされるのかについて見ていきましょう。
ヒアルロン酸を補充すると肌に弾力が生まれ、ほうれい線が目立ちにくくなります。
ほうれい線は主に、加齢によるヒアルロン酸の減少で現れるとされています。ほうれい線は一度できると深いしわになり、なかなか改善しないため、できれば早めに対処したほうがいいでしょう。
ほうれい線へのヒアルロン酸注射は、10分程度で施術が完了し、術後すぐにメイクが可能です。また、約半年〜1年は持続が期待できます。
ヒアルロン酸注射は、額にも対応しています。ヒアルロン酸を打つことで、額が丸みを帯びてしわが目立ちにくくなるだけではなく、額のボリュームが増すため、目元のリフトアップも目指せます。
額の場合は施術時間に、15分〜20分程度要します。術後、3ヵ月〜1年程度は維持が期待できます。
あごへの注入は、小顔を手に入れたい方、割れあごを改善したい方におすすめです。あごに注入することで、シャープな輪郭を目指せます。
施術は5分〜10分程度で、希望するフェイスラインに沿って、少しずつヒアルロン酸を注入していきます。
施術当日から激しいスポーツを行ったり、フェイスマッサージを受けられたりと、日常生活への影響が少ない点がメリットといえます。
気になる持続期間は使用する薬剤の種類にもよりますが、数ヵ月〜2年程度です。
顔のたるみは頭皮のたるみも大きく影響しており、こめかみのくぼみを改善すると顔のリフトアップが期待できます。そのため、こめかみへのヒアルロン酸注射は、リフトアップしたい方、へこんだこめかみを改善したい方に適しています。
施術は15分〜20分程度で完了し、持続期間は数ヵ月〜2年程度です。
厚みのある唇やアヒル口を望む方には、唇へのヒアルロン酸注射がおすすめです。唇を厚くしたい方は「下唇」、アヒル口にしたい方は「上唇」にヒアルロン酸を注入することで、理想的な唇を目指せます。
また、ヒアルロン酸注射により唇にハリを与えると、縦じわや乾燥の改善も見込めます。
施術自体は10分程度で終了しますが、唇の場合は稀に腫れや内出血などの副作用が起きる場合があります。しかし、ダウンタイムはほとんどなく、痛みが長時間続くといったリスクが少ないのが特徴です。
ヒアルロン酸注射は、表情の癖でできた眉間のしわ、乾燥によってできたしわ、どちらの改善も期待できます。施術は10分程度で完了し、持続期間は3ヵ月〜6ヵ月程度です。
ちなみに、しわ改善にはボトックス注射を行う場合もありますが、眉間のしわが深い場合はヒアルロン酸注射を行うケースが多いです。
目の下にできた深いしわにも、ヒアルロン酸注射は対応しています。施術にかかる時間は5分程度で、片目につき3回〜4回針を指してヒアルロン酸を注入します。
注射直後に触ると若干皮下が固く感じる場合がありますが、痛みを伴わなければ問題ありません。しかし、どうしても気になる方は、治療を行ったクリニックに相談してください。
術後数ヵ月〜2年程度は持続が期待できます。
「出産を機に胸がたるんできた」「年齢を重ねるごとに、胸の形が崩れてきている」と、悩む方もいるでしょう。ヒアルロン酸注射はバストアップが期待できるため、胸の形で悩んでいる方にもおすすめです。
施術時間は15分〜30分程度で、持続期間は半年〜2年程度です。
ただし、副作用として筋肉痛のような痛みや一時的に内出血する場合があります。
ヒアルロン酸注射は、施術内容や施術を受ける方の体調などによって副作用が起きる場合があります。具体的な副作用について見ていきましょう。
ヒアルロン酸注射は、施術箇所に痛みや違和感が出る場合があります。数日様子を見ても症状が改善されない場合は、施術を受けたクリニックに相談しましょう。
人によっては、注入直後から施術箇所にむくみが出る場合があります。むくみがある場合は、該当箇所にできるだけ触れず1週間程度様子を見ましょう。それでも治まらない場合は、クリニックを受診してください。
症例は少ないですが、ヒアルロン酸でアレルギー反応を起こす方がいます。最悪の場合、アナフィラキシーショックで命の危機に直面する恐れもあるため、アレルギー体質の方や不安な方は、直前に使用するヒアルロン酸の種類を担当医師に確認しておきましょう。
目の下の皮膚が薄い箇所にヒアルロン酸を注入すると、「チンダル現象」と呼ばれる副作用が起きる場合があります。皮膚からヒアルロン酸が透けて青っぽく見える状態になるため、目の下への施術を行う方はリスクを踏まえた上で検討しましょう。
施術する部位によっては、内出血する場合があります。特に皮膚が薄い場所や、毛細血管が多い場所で起こりやすいです。内出血は1週間程度で薄くなっていきますが、1週間を過ぎても改善しない場合はクリニックに相談してください。
ちなみに、「マイクロカニューレ」と呼ばれる超極細の針を導入しているクリニックであれば、内出血のリスクを下げられます。内出血が気になる方は、針の種類にも注目しながらクリニックを探しましょう。
ヒアルロン酸注射を実施する上で注意すべき点についてご紹介します。
妊娠中や授乳中はホルモンバランスが乱れ、多少の負担であってもストレスを感じやすい時期です。そのためヒアルロン酸注射のような「プチ整形」であっても、多くのクリニックで施術を控えるよう指示しています。
特に妊娠初期は胎児の成長において大切な時期であるため、妊娠している可能性がある方も控えたほうがいいでしょう。
ヒアルロン酸は体に馴染む成分でできていますが、時折しこりとして残る場合があります。
しこりを発見したとしても、潰そうとマッサージするのは避けてください。マッサージによってヒアルロン酸が散ってしまい、注入箇所の作用が薄れます。
通常であればしこりは数日~1週間程度で馴染みますが、違和感があるときは医師に相談しましょう。
ヒアルロン酸注射を行うと、部位に関わらず2日〜3日程度腫れるリスクが報告されています。周囲に知られたくない場合は、その点も考慮しながらスケジュールを設定したほうがいいでしょう。
ただし、2日〜3日経過後も腫れが引かない場合は、クリニックに相談するようにしてください。
ヒアルロン酸注射は、短時間で施術が受けられる上に、半年〜2年程度の一定期間はしわやたるみの改善、バストアップが期待できるプチ整形として人気を集めています。
むくみや腫れなどの副作用が起きる場合もありますが、ダウンタイムやリスクは少ない施術です。
ただし、継続して美しさを保つには、決められた期間、間隔を空けることが大切です。短期間で集中的に行うと、顔や胸のバランスが崩れてしまう恐れがありますので、医師と相談しながら施術を行いましょう。