美容医療コラム
この記事の概要
思春期だけではなく、成人でも発症する「ニキビ」。この記事では、ニキビの種類と原因について解説します。併せて、美容クリニックで行っている施術方法についても紹介します。
ニキビは、ホルモンバランスの乱れや生活習慣の乱れ、ストレスなどさまざまな要素が影響してできるとされていますが、実は1種類ではないことをご存知でしょうか?
ニキビには複数の種類があり、その種類に応じたケアが必要です。
ここでは、ニキビの種類と原因、それぞれの対処法についてご紹介します。美容クリニックで行っている治療法についても併せてご説明します。
ニキビは、「白ニキビ」「黒ニキビ」「赤ニキビ」「黄ニキビ」「紫ニキビ」の5つの種類に分類されます。それぞれの特徴や原因について見ていきましょう。
「白ニキビ」は薄い皮膚で覆われていて、表面はまだ閉じている状態のニキビを指します。
初期段階であることから、痛みやかゆみを感じません。
主な原因は、「皮脂の過剰分泌」「ターンオーバー(肌の新陳代謝)の乱れ」「紫外線や乾燥によるダメージ」です。
紫外線や乾燥による刺激は、皮膚表面を厚くすると同時に、毛穴を小さくします。毛穴が小さくなったことにより、皮脂の排出がスムーズにいかず白ニキビができます。
黒ニキビは、毛穴に古い皮脂や角質が詰まって黒く酸化した状態で、別名「非炎症性皮疹」とも呼ばれています。
「毛穴の黒ずみ」と思われているものが、黒ニキビの場合があります。痛みを感じないため、ニキビができたとは認識されにくいですが、ニキビの一種であり毛穴の黒ずみを見つけた時はニキビケアを行いましょう。
黒ニキビは皮脂が多くべたつきやすい、おでこや鼻などにできやすいです。
毛穴の皮脂詰まりが悪化し、炎症を起こすと「赤ニキビ」へと発展します。この時点で、すでに治療が必要な状態になっているため、むやみやたらに触れないように注意しましょう。
赤ニキビは「アクネ菌」と呼ばれる、細菌が原因で発症します。アクネ菌はストレスや生活習慣の乱れによる皮脂の増加で繁殖するので、赤ニキビができたら生活習慣を見直しましょう。主にTゾーン、頬、Uゾーンにできやすいとされています。
膿を持った「黃ニキビ」は、ニキビの中でも進行した状態です。アクネ菌だけではなく黄色ブドウ球菌も増殖しており、早めに治療を行わなければさらに悪化する恐れがあります。
また、黄ニキビを潰すと、クレーターと呼ばれる凹みのある傷ができてしまうため、触れないように注意が必要です。
ニキビが最も悪化し、患部に血や老廃物が溜まっている状態を「紫ニキビ」といいます。別名「結節性ニキビ」「嚢腫(のうしゅ)」とも呼ばれ、赤黒もしくは紫に腫れます。皮脂が多い方が紫ニキビになりやすいといわれていますが、「ホルモンバランスの乱れ」「血行不良」「生理不順」「婦人科系の疾患」が原因で発症する場合もあるため、紫ニキビができた際はいつも以上に体調管理に気をつけましょう。
ニキビは跡が残りやすいため、そのまま放置しておくことは望ましくありません。それぞれのニキビができた時の対処法について見ていきましょう。
先に説明したとおり、白ニキビは毛穴の詰まりが原因でできるとされています。白ニキビができた際には、クレンジングをしっかり行い、洗顔料を泡立てて優しく洗うようにしましょう。ファンデーションや皮脂が残ったままだと、さらに毛穴の状態は悪化します。
また、規則正しい食生活を送り、皮脂の分泌を抑えることで、ニキビの進行を防げます。
黒ニキビができた時は角質層を保湿するために、保湿化粧品の使用をおすすめします。
さらに、皮膚のターンオーバーを促進するビタミンB2、肌のバリア機能を高めるビタミンB6、美白作用のあるビタミンCを積極的に摂取しましょう。そうすることで、黒ニキビの悪化を防げます。
また、毛穴に詰まった黒ずみを自分で無理やり出そうとすると、跡が残ったり毛穴が開いたりする恐れがあります。黒ずみが目立ってきたら、自分で対処するのではなくクリニックに相談するようにしましょう。
赤ニキビができた際は、ニキビができている箇所のメイクは控え、抗炎症作用があるビタミンCやグリシルグリシン配合のスキンケア商品を使用しましょう。
グリシルグリシンには、毛穴の炎症を抑え、毛穴の開きを小さくする作用が期待できます。
また、赤ニキビは跡が残りやすいため、かゆみを感じても触らないことが大切です。
黃ニキビまで進行してしまうと、セルフケアでの改善は難しいです。炎症が起きている状態なので、皮膚科で抗菌薬を処方してもらいましょう。
また、コラーゲンの合成をサポートするビタミンBを積極的に摂取するなど、内側からのケアが必要です。なお、ニキビ跡が残ってしまうため、膿を出そうと無理に指で潰すのは避けましょう。
紫ニキビは真皮まで達したニキビで、自己流でのケアは難しいです。さらに悪化させないためにも、皮膚科や美容外科を訪れ、一刻も早くケアしましょう。
「できるかぎりメイクは控える」「髪が触れないようにする」など、紫ニキビに刺激を与えないようにすることが大切です。
ニキビをつくらないためには、日頃からどのようなケアを行ったらいいのでしょうか?ニキビをつくらないように、できるセルフケアについてご紹介します。
ニキビをつくらないためには、保湿が有効です。思春期の頃は、皮脂の過剰分泌によりニキビができやすいですが、大人になると乾燥によるバリア機能の低下がニキビにつながります。
また乾燥でターンオーバーが乱れると、角質が硬く厚くなり、毛穴を狭めてしまいます。それにより、ますます皮脂が詰まりやすい状態になるため、こまめな保湿が大切です。
生活習慣の乱れは、腸内環境の悪化につながります。腸内環境は肌状態を左右し、ニキビができやすくなります。ニキビで悩んでいる方は、食生活を改善してみましょう。
特に肌のターンオーバーを整えるビタミンA、ストレスによるバリア機能の低下を防ぐビタミンB1やビタミンCを摂取することでニキビを予防できます。
レバニラ炒めであれば、1日あたりのビタミンA推奨量を摂取できます。
その他、にんじん、かぼちゃにもビタミンAは含まれているため、日々の献立を工夫することで、効率よくビタミンAを摂取できます。
ビタミンB1は、豚ヒレ肉や豚モモ肉に多く含まれます。
ごま、アーモンド、ボンレスハム、玄米にも含まれていますが、これらの食材を摂取するのが難しい場合は、サプリメントを活用してもいいでしょう。
ビタミンCについては、15歳以上の1日の摂取推奨量は100mgとなっており、柿、ドライマンゴー、ブロッコリー、ほうれん草などから摂取できます。
ビタミンCは加熱に弱い栄養素として知られていますが、じゃがいもやさつまいものようにデンプンに包まれた食材であれば熱に強いです。
「セルフケアしているけれど、一向に改善が見込めない」「すぐにでもニキビを改善したい」という方には、美容クリニックでできるニキビ治療をおすすめします。
美容クリニックでは、「レーザー治療」「ピーリング」「内服薬・外用薬」「光治療」などの施術を行っています。
それぞれの施術方法について簡単に説明します。
熱エネルギーで毛包組織を破壊し、皮脂や老廃物が毛穴につまるのを防ぐ方法。ニキビ予防にも有効。
毛穴に溜まっている古い角質を溶かし、ニキビの原因となる皮脂や老廃物を取り除く方法。
抗生剤、ビタミン剤、抗炎症剤などによって治療する方法。
特殊な光を照射して、ニキビやシミの改善を図る方法。
さらに、美容クリニックであれば、ニキビをできにくくする予防やニキビ跡のケアも行っています。
美容クリニックでは、先に説明した「レーザー治療」「ピーリング」「内服薬・外用薬」「光治療」以外にも、「ダーマペン」を用いてニキビ治療を行っています。
ダーマペンとは、肌の自然治癒力を引き出して肌再生を促す治療方法です。
髪の毛より細い超極細針を使って一時的に肌に穴を開けることで、コラーゲン生成を促進させます。それにより、肌の代謝がアップし、ニキビやニキビ跡の改善を目指します。
ただし、施術当日から数日程度は赤みが生じる場合があるため、リスクを十分に理解した上で施術を検討しましょう。
ニキビには、「白ニキビ」「黒ニキビ」「赤ニキビ」「黄ニキビ」「紫ニキビ」の5種類があります。それぞれ症状は異なるものの、どの種類にも生活習慣の乱れが影響しています。ニキビをつくらないためにも、規則正しい生活を送ることが大切です。また乾燥もニキビの原因となるので、肌の保湿にも力を入れましょう。
ニキビは誤った方法でケアすると、跡が残る可能性があります。自分でどうにかしようとはせず、皮膚科や美容クリニックに相談しましょう。美容クリニックであれば、一人ひとりの肌質やニキビの症状に応じた方法を提案してくれるため、繰り返すニキビの改善が期待できます。