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美容医療コラム

シミと肝斑はどう違う? 見分け方とできてしまう原因、治療方法を解説

 
シミと肝斑はどう違う? 見分け方とできてしまう原因、治療方法を解説

この記事の概要

肝斑とシミの違いと見分け方とともに、できる原因と治療方法をご紹介します。

いつのまにかできてしまった色素斑は、肝斑なのかシミなのかわからない方も多いです。肝斑とはどのようなものなのか、原因やできる部位、肝斑とシミの違い・治療方法などをご紹介します。

●肝斑とは

肝斑は年齢を重ねると、皮膚表面に現われるシミの一種です。30代後半~50代の女性に多く現れるといわれており、男性に現れることは滅多にありません。皮膚が炎症を起こし、シミのような見た目になります。主に摩擦の起きやすい部位や、紫外線の当たりやすい部位に生じやすいといわれています。

●肝斑とシミの違い

肝斑とシミにはさまざまな違いがあります。しかし、一般的なシミと呼ばれる老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)とは、原因やできる部位や色味、原因などに違いがあります。また、治療法も他のシミとは異なります。どのような違いがあるのか、確認してみましょう。

・できる部位

シミは頬骨周辺に現れることが多いといわれていますが、顔に限定せず、さまざまな部位に現れる色素斑を指しています。対して肝斑の多くは、頬骨に沿って左右対称に広がるという特徴があります。頬骨だけではなく目尻の下や、額、あご、鼻の頭、おでこなどにも現れますが、目の周りには現れません。

顔だけにできる色素斑で、左右対称に現れている場合は肝斑の可能性があります。

・色

シミは健康的な肌との境界線がはっきりしていますが、肝斑は境界線がぼんやりとしているのが特徴です。色味が濃く、大小さまざまな大きさの色素斑ができるシミと違い、肝斑は淡褐色で曲線を描くような形で、広範囲に現れる特徴があります。

また女性特有である、バイオリズムにあわせて色味の濃さが変わるのも肝斑ならではです。

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●肝斑の原因

肝斑は、さまざまなことが原因で現れる症状です。原因のひとつに、女性ホルモンが関係しているといわれており、妊娠やピルの服用、加齢による女性ホルモンの乱れが挙げられます。まれに、経口避妊薬であるピルを服用したら肝斑を発症、悪化したという事例もあります。一方で、肝斑は閉経を迎えると薄くなることもわかっています。

また、肝斑の直接の原因ではありませんが、摩擦やストレス、紫外線は肝斑を悪化させる恐れがあります。強く擦るような洗顔や、紫外線による強い刺激はメラニン生成を促進します。

さらに、ストレスが原因で発症した肝斑がストレスとなり、症状を悪化させるという悪循環に陥る恐れもあります。

●肝斑の治療方法

肝斑の治療はレーザー治療ではなく、主に内服薬と外用薬を中心に行います。美容クリニックで行われる一般的なシミ取りレーザー治療は、肝斑を悪化させるリスクがあるからです。一方、最近では低エネルギーの照射で治療する、レーザートーニングも肝斑の治療法として注目されています。

内服薬や外用薬での治療と並行して、普段の生活にも注意が必要です。洗顔やクレンジングなど、肝斑への直接的な摩擦を避け、肌に優しいお手入れを心がけましょう。屋外に出るときは紫外線による刺激を避けるため、日焼け止めの使用や帽子、日傘などのUV対策製品を取り入れる工夫が必要です。

実際にどのような治療法があるのか、詳しく見ていきましょう。

・レーザートーニング

レーザートーニングは、Qスイッチヤグレーザー搭載の美容機器を使用した治療方法です。肝斑はレーザー治療をすると、炎症が強く出て悪化してしまう特徴があり、レーザーの照射は禁忌とされてきました。

しかし、Qスイッチヤグレーザーによる低エネルギーのレーザー照射は、肝斑を悪化させずに治療できる方法です。

レーザートーニングはメラニン色素に反応し、メラニンを徐々に減少させます。通常のレーザー治療は、レーザービームの中心部のエネルギー量がもっとも強く、端に向かうにつれて弱くなり均一ではありません。レーザートーニングは、レーザーが圴一に照射されるため、皮膚へのダメージを最小限に抑えます。

施術は医師による診察後、肝斑の状態や元の肌の色味に合わせ、適切な設定を行い照射します。施術時間は施術範囲にもよりますが、およそ30分です。照射後は、施術部位を冷やすクーリングを行います。当日は腫れや赤みが出ますが、数時間で落ち着くとされ、ダウンタイムは通常のレーザー治療と比べて短期間です。施術サイクルは基本的に、1週間〜2週間ほどの間隔で、6回程度の治療で経過をみます。

施術後の肌は敏感になっており、紫外線や乾燥などにとても弱い状態です。化粧水や美容液などでしっかりと保湿し、外出する際は日傘や帽子、日焼け止めクリームなど日焼け対策をする必要があります。

・内服薬

肝斑の内服薬治療で使用される成分は、シミ治療にも用いられるビタミンCやトラネキサム酸です。炎症を抑えるトラネキサム酸は市販薬でも手に入りますが、処方薬と比べ含まれる量に違いがあります。

トラネキサム酸は、メラニン生成時にプロスタグランジンを抑制するとされています。また、血液の凝固を阻害するプラスミンの働きを抑え、炎症を防ぐのでメラニン生成の抑制が期待できます。

内服薬治療は、通常8週間で改善が見込めますが、改善が見込めない場合は肝斑ではない可能性があります。その場合は、服用を中止しなければなりません。

基本的に安全性が高い薬品とされていますが、副作用がゼロというわけではありません。まれに痒みや悪心、嘔吐、下痢、眠気などが起こるとされており、人工透析をしている場合は痙攣を発症する恐れがあるので、診察時に医師に伝えましょう。

また、内服治療は短期間で効果が現れるのではなく、改善を実感するまでに時間がかかるので、継続して治療を行うことが大切です。

・外用薬

肝斑の外用薬として使用される、薬の主な成分はハイドロキノンです。ハイドロキノンはシミの原因となる、メラニンを生成するメラノサイトの働きを抑制し、肌をすこやかに保ちます。以前は医療機関で処方される処方薬でしたが、2001年以降厚生労働省により市販薬への配合が認められました。

しかし、内服薬と同様で、配合量は市販薬のほうが低く、高配合の医薬品を使用するには医師による処方が必要です。しかし、配合量が高いほど肌に対しての刺激が強く、はじめて使用する場合は2%など低濃度のものから使用するとよいでしょう。

肝斑への作用は一般的に、塗りはじめてから1カ月程度で実感できるようになります。

また、肌への刺激が強いため、使用中はいくつか注意しなければならない点があります。敏感肌や肌トラブルが気になる方は、自己判断で市販薬からはじめるのではなく、クリニックで処方してもらいましょう。

外用薬を使用時に、赤みや乾燥によるかさつきが生じる恐れがあるので、保湿を忘れずに行います。治療中は肌が敏感になっており、紫外線による刺激でさらにシミを濃くしてしまいます。日焼け止めやつばの広い帽子、サングラスなどの日焼け対策は必ず行いましょう。

ハイドロキノンの長期使用は、副作用として白斑(はくはん)を発症する恐れがあります。ハイドロキノンが色素を蓄える細胞のメラノサイトに作用し、細胞そのものを破壊してしまうのです。すると肌の色が保てなくなるので、肌が部分的に白く抜けた状態(白斑)になります。治療が長引く場合は医師が肌状態を確認し、休薬期間を設けたり配合濃度を下げたり、レーザートーニングへ切り替えたりといった、治療方針の変更を行います。定期的に受診し、医師の指示通りに塗布しましょう。

●シミと肝斑の見分け方は医師に相談

シミと肝斑の見分け方を解説しましたが、実は医師でも判断が難しいといわれています。シミには肝斑と見分けがつかないほど、よく似ているものもあるからです。左右対称や30代から現れはじめたなど、肝斑の特徴と合致していても、実はシミやアザだった事例があります。

肝斑は自己判断で誤ったケアをすると、悪化させてしまう恐れがありますので、美容クリニックで医師に相談するのがおすすめです。美容クリニックでは、一人ひとりにあった治療法はもちろん、治療による痛みや肌トラブルのアフターフォローも行います。

 

●まとめ

肝斑はシミの一種ですが、女性ホルモンによる影響を受けやすい色素斑です。シミとの違いは医師でも判断が難しく、自己判断で誤ったケアを行うと悪化する恐れがあります。

美容クリニックでは内服薬や外用薬の他、レーザートーニングによる治療があります。どの治療法になるか、医師による診察の上、一人ひとりに合った治療が行われます。肝斑かも?と思ったら、まずは医師に相談してみましょう。

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