美容医療コラム
この記事の概要
皮膚科で毛穴の黒ずみを治せるのか、また毛穴の黒ずみに対する施術方法をご紹介します。
「保険適用の施術内容で毛穴の黒ずみは解消できないの?」「皮膚科では毛穴に作用する薬は処方してもらえないの?」など、皮膚科で毛穴の黒ずみが改善できないのか疑問に感じている方もいるでしょう。
ここでは、毛穴の黒ずみは皮膚科で治せるのかについて解説します。毛穴の黒ずみの種類と原因、毛穴の黒ずみに対する施術内容も解説しますので、黒ずみに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
毛穴の黒ずみは、主に2種類あります。それぞれの原因を解説します。
毛穴の黒ずみの原因として、メラニン色素が挙げられます。メラニン色素は、紫外線により肌が刺激を受けると生成されて毛穴周りに沈着します。これが蓄積されると、毛穴が黒ずんで見えるのです。紫外線が原因の黒ずみには、日焼け止めクリームなどで対策を行いましょう。
また、ストレスやホルモンバランスから起こるターンオーバー(肌の新陳代謝)の乱れは、メラニン色素の生成を促進する原因となります。ストレスをため込みやすい方は、自分に適したストレス解消法を見つけましょう。さらに、不規則な食生活や睡眠不足などは、ホルモンバランスの乱れを引き起こすので、普段の生活習慣を見直すことも大切です。
その他に、間違ったスキンケアも毛穴の黒ずみの原因となります。「日頃、きちんと肌のお手入れをしているはずなのに、なぜか黒ずみが改善されない」という方は、強い力を加えてクレンジングを行っていないか、洗顔料やクレンジング剤をきれいに洗い流せているか確認してみましょう。
角栓も黒ずみの原因です。角栓は皮脂腺から過剰に分泌された皮脂と、角質が混ざり合ってできたものです。角栓が毛穴を防ぐと皮脂がスムーズに排出されず、毛穴にたまった汚れが徐々に酸化で変色し、毛穴が黒ずんだように見えるのです。
角栓は、肌のターンオーバーが乱れると蓄積されます。肌のターンオーバーを整えるためにも入念な保湿、ストレス解消、そして、生活習慣を整えることが大切です。
毛穴の黒ずみは皮膚科で治せるのでしょうか。まずは、皮膚科で行っている施術内容を解説します。
一般的な皮膚科では、肌の炎症や色素沈着を抑制させるビタミンC配合の薬や、色素沈着に作用するクリームの処方は行っていますが、毛穴の黒ずみを解消する施術は行っていません。
ただし、皮膚科によっては、自由診療で毛穴の黒ずみに対する施術を行っている場合もあります。
毛穴の黒ずみケアには、美容皮膚科での施術がおすすめです。皮膚疾患の診療が目的である皮膚科に対し、美容皮膚科は美しさを求める審美が目的なので、毛穴の黒ずみに対応した施術を取り入れています。
例えば、内服薬や外用薬の処方に加えて、「ケミカルピーリング」「スキンスクライバー」など、複数のメニューがあります。肌質や肌の状態にあわせて施術内容が選べる上に、複数の施術内容を組み合わせられるので、効率よく毛穴の黒ずみの改善が目指せるでしょう。
美容皮膚科は毛穴の黒ずみ解消を目的とした施術に、次のような方法を取り入れています。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
ケミカルピーリングとは、皮膚の余分な角質を除去し、肌のターンオーバーを整える施術方法です。具体的には角栓が酸化するのを防ぎ、毛穴の黒ずみを目立ちにくくさせます。
なお、ケミカルピーリングは美容皮膚科だけではなく、一般的な皮膚科で行っている場合もあります。毛穴の黒ずみを目立ちにくくするには、定期的に施術を行い、肌の新陳代謝を高めることが大切なので、通いやすいクリニックで施術を行いましょう。
「ディープクレンジング」とは、特殊なチップから出る渦巻き状の水流と吸引力で、毛穴の奥にある汚れを取り除く施術方法です。普段のクレンジングでは取り除けない、皮脂汚れを取り除く作用が期待できます。
また、洗浄液には美容成分が含まれているので、乾燥肌や敏感肌にもあまり負担をかけずに施術できる特徴があります。
なお、ディープクレンジングに施術中の痛みは少ないとされていますが、施術後から3日程度以下のような副作用が起きる恐れがあります。
数日しても症状が落ち着かない場合は、施術した美容皮膚科に相談しましょう。
「スキンスクライバー」とは、超音波の乳化作用によってミスト化したクレンジング剤で、1秒あたり28,000回の超音波振動を与えながら、毛穴に詰まった皮脂やメイク残りを除去する施術方法です。角栓の酸化を防ぎ毛穴の黒ずみが目立ちにくくなる作用に期待できます。
施術時間は5分〜10分程度で、ダウンタイムや痛みは少ないのが特徴です。また、ピーリング剤は使用しないので、敏感肌の方でも肌に負担をかけることなく施術できます。
なお、一般的にスキンスクライバーは、2週間に1回の施術が推奨されていますが、脂性肌の方は1週間に1度のペースで施術を行うケースもあります。
「ダーマペン」とは、超極細針で肌の表面に小さな穴を開け、肌の自然治癒力を向上させる施術方法です。肌表面に小さな穴が開くと、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸、といった肌の弾力に必要な成分が生成されます。それにより、肌のターンオーバーが整い、黒ずみの原因となる角栓ができにくい肌環境へと導かれるのです。
なお、ダーマペンは毛穴の汚れを直接取り除く施術ではありません。できるだけ早く黒ずみを解消したい方は、ケミカルピーリングやスキンスクライバーといった、毛穴の汚れを取り除く施術内容が適しているでしょう。
「フラクショナルレーザー」とは、レーザーで熱ダメージを与えながら肌に微細な点状の穴を開け、皮膚の再生機能を促す施術方法です。熱ダメージを受けた皮膚が補修のためにコラーゲン、エラスチンの生成を促進することで、肌のターンオーバーが整い、黒ずみの原因となる角質ができにくい肌環境へと導きます。
なお、フラクショナルレーザーもダーマペン同様、毛穴の汚れを取り除く作用はありません。
また、施術中の痛みは少ないとされていますが、中には「輪ゴムで弾かれたような痛み」と表現する方もいます。個人差はありますが、ダウンタイム中に赤みや湿疹が出現するケースもあります。施術後1日〜3日程度が過ぎても、赤みや湿疹が改善しない場合は、施術したクリニックに相談しましょう。
一般的な皮膚科の中には、自由診療で毛穴の黒ずみに対する施術内容を行っているところもありますが、基本的には美容を目的にした施術は行っていません。
毛穴の黒ずみを改善したい方は、美容皮膚科での施術が適しているでしょう。美容皮膚科で実施している施術内容には、毛穴の汚れを取り除く「ケミカルピーリング」「スキンスクライバー」と、肌再生を促し角質ができにくい肌環境へと導く「ダーマペン」「フラクショナルレーザー」などがあります。それぞれの施術内容をよく理解するのはもちろんのこと、肌の状態も考慮しながら、施術方法を検討しましょう。