美容医療コラム
この記事の概要
目の下にクマがあると、老け顔や疲れている印象を与えてしまいます。目の下のクマには種類があり、原因に応じた適切なケアをすれば改善が見込めます。美容整形で行える施術と、理想の肌を目指す方法について紹介します。
いつの間にかできている目の下のクマに、悩まされたことはありませんか?普段、私たちが「クマ(隈)」と呼んでいる症状には種類があり、その原因もさまざまです。自分のクマを正しく把握し適切な対処ができると、症状の改善が期待できます。
この記事ではクマの種類と原因、美容整形でできる改善方法について解説します。
眼窩(がんか)の下にあり、黒ずんで見えるものがクマです。目の下にクマができると、老け顔や疲れているような印象を与えます。
目の周りの皮膚はほかの部位に比べて薄く、皮膚の下にある血管やメラニン色素がクマとして皮膚表面に現れます。さらに汗腺や皮脂腺が少なく、乾燥しやすいことも原因のひとつです。乾燥によってできた小じわやキメの乱れが、クマにつながる場合もあります。
一般的にクマは、ファンデーションやコンシーラーなどの化粧品で隠せますが、これは一時的なものでクマそのものの改善には至りません。
また、クマには種類があり、種類によって改善方法は異なります。
クマは大きく分けて4つの種類があり、原因も異なります。クマを改善するにはその種類に合ったケアが必要です。まずは種類ごとの症状と、その原因を確認していきましょう。
茶クマは目の下が茶色く見えるクマで、角度を変えて見てもその質感が変わらないのが特徴です。茶クマの原因は紫外線や摩擦など、外的刺激による色素沈着です。
茶クマの改善には、これらの原因を絶つことが重要です。目を擦る、触る癖のある人は意識して触らないようにしましょう。また、茶クマは紫外線対策がとても重要です。紫外線によってメラニン色素が生成されると、茶クマはどんどん目立つようになります。紫外線を浴びる可能性があるときは、日焼け止めクリームの塗布、帽子やサングラスなどを着用しできるだけ紫外線を避けましょう。一般的に紫外線が強いとされている春や夏だけではなく、1年を通しての対策が必要です。
ビタミンC誘導体やハイドロキノンなど、美白成分配合のクリームや美容液の使用もおすすめです。
青クマは目の下が青、もしくは赤紫や黒っぽく見えるクマで、血行不良によって黒ずんだ血液が目の下の皮膚から透けて見えることが原因です。
青クマの原因である血行不良は、睡眠不足や眼精疲労などから起こる場合が多いです。
パソコンやタブレット、スマートフォンなどを長時間使用する人や、不規則な生活で睡眠不足になりがちな人などにできやすいです。また、過度なダイエットによって自律神経が乱れている、鉄分不足による鉄欠乏性貧血を発症している方も、青クマができやすいとされています。
青クマへの対策には、血行の改善が必要です。目の周りを、温める・冷やすを交互に繰り返し行うと血行促進につながります。自宅で手軽に行う方法として、保冷剤を包んだタオルで目元を約1分冷やしてから、ホットタオルで目元を約1分温めるの行為を3セット繰り返します。この方法は血行促進だけではなく、眼精疲労の改善も見込めるためおすすめです。
赤クマは眼窩脂肪(がんかしぼう)と呼ばれる、下まぶたの脂肪が突出して起こります。マの中では初期の状態ですが、眼精疲労や加齢により目の周りの筋肉が衰えると血流が滞り、肌表面が赤く盛り上がって見えます。
また、赤クマは肝臓や腎臓が疲弊したサインでもあり、そのままにしておくと青クマ、茶クマ、黒クマへ進行する場合があります。
黒クマは、たるみが原因です。肌のハリや弾力が低下してたるみが出ると、涙腺の下側が黒っぽい影のように見えます。クマと目の間に膨らみがあり、その膨らみを押すと見えなくなる場合は黒クマの可能性が高く、メイク前のマッサージやコンシーラーでも隠しにくい厄介なクマです。
黒クマは加齢による目の周りの筋肉の衰えや、コラーゲンの減少により起こる皮膚のたるみやくぼみが原因です。また、紫外線によるハリや弾力の低下も、原因のひとつとされています。
黒クマの改善には、目の周りの筋肉を鍛えることがおすすめです。目を大きく5秒ほど開き、そのあと目を思い切り5秒閉じます。さらに5秒薄目をキープするというトレーニングを繰り返し行うと目元の筋肉が鍛えられ、黒クマやくぼみの改善が期待できます。このトレーニングにあわせて、年間を通しての紫外線対策をしっかり行いましょう。
クマを隠すには、ファンデーションやコンシーラーの使用が一般的です。しかし、これは一時的にクマを「隠す」ための対策であって、「根本から改善する」ものではありません。
手軽にできるセルフケアとしては、血流改善が見込める目元のマッサージやホットタオル、外的刺激から肌を守るための保湿や日焼け止めなどの紫外線対策がおすすめです。一方、クリニックで行う美容整形では原因となる部位の切開、ヒアルロン酸や脂肪の注入、ダーマペンやハイフなどの治療が行えます。
では、美容整形で目の下のクマを取る方法には具体的にどのようなものがあるのでしょうか。施術別にまとめましたので、確認していきましょう。
下眼瞼切開術とは目周囲のしわ、たるみ、クマを改善する施術方法です。その方法は大きく分けて3つあり、皮弁法(ひべんほう)、筋皮弁法(きんひべんほう)、ハムラ法があります。
皮弁法は、下まぶたの縁の皮膚を切開し余分な皮膚を切除する方法で、比較的若い人やしわが下まぶたの縁に近いものに限って行われます。そのため、クマの治療ではあまり用いられません。
筋皮弁法は、目の下にたるみがあり、下まぶたの膨らみが目立つ場合に用いられます。下まぶたの縁の皮膚を切開したあと、皮膚を筋肉から剥離して筋肉を外上部に引き上げます。外側の骨膜に固定し余分な皮膚を切除することで、たるみの改善を目指します。
ハムラ法は眼窩脂肪の突出や、目の下周りのくぼみが目立つ場合に用いられる方法です。下まぶたの縁で皮膚を切開し、筋皮弁法と同じように皮膚から筋肉を剥離させます。その後、突出している眼窩脂肪は切除せずに、くぼんだ頬とまぶたの間の溝に移動させてクマの改善を図ります。現在はこのハムラ法が、スタンダードとなってきています。
施術後1週間程度は細菌や感染症などによる炎症を防ぐため、医療用保護テープでの保護が必要となります。さらに施術後3ヵ月~半年は傷の赤み、硬さがあります。また、傷跡が残りやすいことが欠点です。
経結膜脱脂法とは、下まぶたの膨らみを除去する施術方法で、主に赤クマの治療に用いられます。目の下に現れる眼窩脂肪を下まぶたの裏側から取り出すので、肌表面に傷はできません。
眼窩脂肪を取り出したあと、目の下にある頬とまぶたの間の溝に経結膜脱脂法で除去した脂肪、もしくは自分の太ももの内側などから採取した脂肪を注入します。注入する脂肪は、あらかじめ定着率向上のために、不純物を限界まで取り除いているものを使用します。
青クマや黒クマなど、くぼみが目立つクマの治療に用いられるのがヒアルロン酸注入です。くぼんだ部位にヒアルロン酸を注入し、皮膚を持ち上げます。ヒアルロン酸は徐々に体内に吸収され、体内に残ることはありません。
ダーマペンは、ペンの先についた小さな針で、肌に微細な穴を開ける施術方法です。傷をつけることで肌の自己再生能力を促し、たるんだ肌にハリを取り戻します。オプションで施術の際に、開けた穴へ直接薬剤を浸透させることもできます。
ダーマペンは黒クマの改善を目指した治療方法ですが、黒クマ以外のクマの改善も見込めます。
ハイフは、超音波の熱エネルギーを利用した施術方法です。超音波を皮膚に照射すると皮膚内部に、およそ60℃~70℃の熱エネルギーがピンポイントで伝わります。熱エネルギーにより肌内部では熱損傷ができ、この傷を修復しようとコラーゲンやエラスチン(コラーゲンを支える弾性繊維)の生成が促されます。黒クマのケアとして用いられ、1回の施術で変化を感じる方も多いです。
目の下のクマは、大きく分けると4種類あります。それぞれのクマは原因や特徴が異なり、間違ったケアをすると悪化する恐れがあるので注意しましょう。美容整形では一人ひとりの状態に合わせた治療を医師と相談して決定します。セルフケアはあくまでも予防として捉え、治療は美容整形クリニックをおすすめします。